2017 Fiscal Year Research-status Report
Virological characters and zoonotic potential of Bas-Congo virus
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17K18386
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
朴 ウンシル 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (90750117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Bas-Congoウイルス / 広い宿主域 / G蛋白質 / pH依存的融合活性 / 受容体媒介細胞内輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
Bas-Congo virus (BASV)は出血熱流行時に患者から同定された新興ウイルスで、ラブドウイルス科に属する。今年度はBASVのウイルス学的性状解析を実施した。BASVは分離されていないため、BASVのG蛋白質を外套したシュードタイプ水胞性口炎ウイルス(BASVpv)を作製し実験に用いた。まず、BASVpvはヒト、サル、イヌ、ネコ、ハムスター、コウモリ、マウス等様々な哺乳類由来細胞に感染し、宿主域が広いことが示唆され、ubiquitousな受容体を介して感染すると考えられた。また、BASVのG蛋白質抗体によりBASVpvの感染が中和されるこからとG蛋白質を介して感染することがわかった。G蛋白質を一過性に発現させた細胞を低pH処理すると細胞融合が誘導された。さらに、bafilomycin等lysosomotropic agentsの処理によりBASVの感染が抑制されたことから、pH依存的に細胞に侵入すると考えられた。 上記の結果を踏まえて、次はBASVの細胞内輸送経路を検索した。まず、cholesterol transport protein (Niemann-Pick C1; NPC1)のinhibitor及びknock out細胞を用いて、BASVの細胞内侵入におけるNPC1の役割を調べたが、いずれも影響されなかったことからBASVはNPC1を介してendosomeから細胞内に輸送されるエボラウイルスとは異なる経路により輸送されると考えられた。一方、dynasore (dynamin inhibitor)をHeLa細胞に処理すると、BASVpv の感染が濃度依存的に抑制される傾向が見られた。更なる解析が必要であるが、BASVはclathrin等の受容体を介して細胞内に侵入する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は1)BASVの感染宿主域の検索、2)BASV細胞内輸送経路の解明に関する研究を行った。まず、1)に関しては様々な哺乳類由来細胞がBASVpvに対して高い感受性を示し、宿主域が広いことがわかった。このことからubiquitousな受容体を介して感染すると考えられる。当初は感受性の高い細胞や低い細胞があることを予期し、平成30年度に3)感受性細胞由来のcDNA library-レトロウイルスを用いた受容体検索を予定したが、平成29年度の結果で多様な細胞が高い感受性を示したため、計画を修正する必要がある。2)BASV細胞内輸送経路の検索においては高い感受性を示したHuh7細胞とHeLa細胞を用いて行ったが、結果に一部相違があり、更なる検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
BASVの細胞内輸送経路を受容体抑制剤および表現型knock out細胞を用いて検討する。また、neuraminidaseやlipase等の処理にBASVの感染性は影響を受けないことがわかり、受容体は蛋白質であることが示唆された。そこで、当初計画した3)感受性細胞由来のcDNA library-レトロウイルスを用いた受容体検索に加え、近縁関係にあるウイルスの受容体を候補にいれ、BASVの感染への関与を検討する。
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Causes of Carryover |
(理由) 年度末納品等にかかる支払いが平成30年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定である。また、論文作成予定であったが、間に合わなかったため、論文用に取っておいた分が残ってしまった。次年度に論文及び学会発表用に支出するよていである。 (使用計画) 上記のとおり。
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