2018 Fiscal Year Research-status Report
Virological characters and zoonotic potential of Bas-Congo virus
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17K18386
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
朴 ウンシル 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (90750117)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Bas-Congo virus / endocytosis / viral receptor |
Outline of Annual Research Achievements |
Bas-Congo virus (BASV)は出血熱患者から同定された新興ラブドウイルスである。3人の患者が報告され、2人が死亡した。ウイルスが分離されていないため、BASVのG蛋白質を外套したシュードタイプウイルスを作製し、実験に用いた。H29年度まではBASVの宿主域が広いこと、Gタンパク質による膜融合能が低 pH処理により誘導されること、細胞侵入が pH依存的であることが分かった。さらに、未同定の受容体に結合後にclathrinを介して細胞内に侵入することが示唆された。 H30年度はBASV感染におけるclathrinなどを含む細胞内侵入経路を調べた。その結果、Huh7細胞においてはchlorpromazineやdynasore等のclathrin介在性経路阻害剤及びgenisteineやnystatin等のcaveolin介在性経路阻害剤の処理に BASVの感染が影響を受けないことが分かった。一方、tunicamycinでHuh7細胞に処理すると、BASVpvの感染が40%程度抑制されることから、BASVpvの感染には細胞の糖鎖が関与することがが示唆された。また、HeLa細胞をclathrin介在性経路阻害剤であるdynasoreで処理すると、BASVの感染が抑制された。この結果から、細胞によりBASVの細胞内侵入経路が異なることが示唆された。すなわちclathrin介在性感染を主体とする細胞と別経路を感染経路の主体をする細胞があると考えられた。 さらに、BASVの受容体を同定するためviral overlay protein binding assay (VOPBA)を用いた。すなわち、BASVpvに最も感受性の高いHuh7の細胞膜を精製しBASVpvを反応させ、結合するタンパク質をimmunoblotにより確認した。現在、更に検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度はBASV細胞内輸送経路及び受容体の解明に関する研究を行った。まず、細胞内輸送経路については感受性の高い細胞を用いて検討したが、細胞によって異なる結果が得られたため、更なる検討が必要となった。受容体の解明については感受性の高い細胞の細胞膜を精製し、BASVpvを反応させ、結合するバンドをimmunoblotにより検出するVOPBA法を用いて、弱陽性のバンドが確認されたため、更なる検討が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
HeLa細胞もHuh7同様、BASVpvに高い感受性を示すため、HeLa細胞を用いて、更なる細胞内輸送経路を検索する。受容体検索においてはVOPBA法で確認された陽性バンドをゲルから切り取り、質量分析による同定等更なる解析を行う。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが平成31年4月1日以降となったため。 当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、平成30年度分についてはほぼ使用済みである。
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