2018 Fiscal Year Research-status Report
B型肝炎モデルにおける肝臓内マクロファージが、肝線維化に与える影響とその機能解析
Project/Area Number |
17K18397
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
杉山 真也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 副プロジェクト長 (20612427)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / ヒト肝細胞置換キメラマウス / 肝線維化 / 単球 / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、(1)TLR4リガンドの探索(線維化誘導の前期過程)では、マウスもしくはマウスから得た単球に対して前年度までに候補として得た液性分子を投与して、TLR4経路の活性化状態を評価した。その結果、最終的に3分子について有力候補と考えられた。現在、それらの分子について、その産生機序を検討している。また、肝線維化マウスモデルへ、それらの分子の阻害剤を入れることでその関連を評価を進めている。(2)肝線維化形成過程の解析(線維化誘導の後期過程)では、昨年度から実施している、ヒト肝細胞置換キメラマウスを使ったクロドロン酸投与によるマクロファージ除去を行った上での肝線維化の評価を行った。HBV感染下で3ヶ月と6ヶ月間維持し、肝線維化状態を評価したところ、クロドロン酸群において肝線維化の進展が抑制された。また、肝臓中の肝線維化関連の遺伝子発現を確認したところ、ACTA2などの遺伝子が抑制されており、本モデルにおけるマクロファージの関与が明らかとなった。また、同マウスでの血清から(1)で同定した分子の濃度を測定する準備を進めた。(3)肝内マクロファージの1細胞遺伝子発現解析(線維化誘導の後期過程)では、HBV感染したキメラマウスの肝臓を取得し、シングルセル解析を実施した。最大で10000細胞のデータを得ることができ、複数匹の施行によって、再現性を確認した。データ解析を進め、HBV感染によって生じる肝臓内の細胞レベルでの遺伝子変化を明らかとすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定に沿って計画通り実験を進めた。予備試験で時間をかけたこともあり、最終的には、期待していたよりも明瞭な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の計画については、データ解析が主なる見込みであり、論文化に向けてまとめていく。
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