2018 Fiscal Year Research-status Report
研究開発型大学発ベンチャーの成功要因、及び施策効果の分析
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17K18407
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
新村 和久 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第2調査研究グループ, 上席研究官 (30649223)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大学発ベンチャー / 地域イノベーション / 産学連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
日米で用いられる大学発ベンチャーのデータには定義差が存在する。これが大学発ベンチャーの国際的な比較をする上での障害となっており、国内研究は日本特 有の分析にとどまる。マザーズ上場による時価総額の上位に大学等発ベンチャーが複数占められている一方、国内大学発ベンチャー研究において課題が散見される報告が多い要因は、母集団の不正確さに起因すると仮説を立てた。本研究では、国内大学発ベンチャーのうち特許出願大学発ベンチャーに標本を絞ることで、米国定義との差を補正した、国内大学発ベンチャーの成長性・施策効果等の網羅的な解析を目的としている。 本年度は、前年度実施した研究開発型大学等発ベンチャーへのアンケート調査の解析を実施した。ヒト・モノ・カネに着目した設問設計を行い、研究開発型ベンチャーの設立時と現在における課題意識の差分から、時期に応じた問題点と必要な支援についてを分析した。結果として、大学の技術の活用について、創業後の共同研究でのかかわりが最も多い、特許譲渡、ライセンスはあまり多くないことを明らかにした。ヒトに関しては、技術人材の雇用について継続的に困難性が続いている、雇用困難解消として、創業時期には大学が貢献していることを明らかにした。モノに関して、創業時において、設備、機器に関する困難性が高い、解消に貢献した組織として、大学・自治体の比率が高いことを明らかにした。カネに関して、創業初期において助成金・補助金の活用比率が高い、リスクマネーの供給よりも、自己資金、銀行からの借り入れの割合が多いことを明らかにした。得られた結果について、研究・イノベーション学会、International Society for Professional Innovation Management (ISPIM)で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたアンケート調査の解析を行い、学会発表を行った。(国内外1件ずつ)
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Strategy for Future Research Activity |
大学発ベンチャーと地域内外との関連性について分析を深める。
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Causes of Carryover |
国際学会が日本で開催されたため、旅費が安くなり、その分統計解析に重点を置いた。
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