2017 Fiscal Year Research-status Report
反射光が断続しても動作し続けるハイブリッドレーザ干渉型変位計
Project/Area Number |
17K18421
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
穀山 渉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70643485)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | レーザ距離計 / レーザ変位計 / 位相計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノメートルオーダの相対変位計測にマイクロメートルオーダの絶対距離計測を組み合わせた、「ハイブリッドレーザ変位計」を開発する。このハイブリッド方式によって、一般のレーザ干渉変位計(相対変位計)では計測不能な「反射光が障害物に断続的に遮られる状態」においても、絶対距離計測が情報を補間することにより、高分解能を保ちつつ、計測の連続性を確保することができる。すなわち、計測器にとって重要な性能である「ロバスト性」を飛躍的に向上させることを狙う。 本年度は、研究計画に基づき、①絶対距離計の構築、②相対変位計の構築をすすめた。研究開始時には、LN型強度変調器による絶対距離計と、AOM周波数シフタを用いた相対変位計が分離したコンフィギュレーションであった。しかし、装置の詳細設計を進める中で、外乱の影響をより低減する必要があることがわかった。そのため、装置の耐雑音性をより高める構成を考案した。具体的には、例えば絶対距離計の信号読み出し部をスーパーヘテロダイン方式から光領域でのダウンコンバートに変更することで、RF位相変動に対する耐性をより高めることとした。その他にも、干渉計光学系部や、光源の強度変調・位相変調の方式の変更など、設計を見直した。さらに、本研究で鍵となる、デジタル位相計の研究開発も進めた。具体的には、信号同期精度を高めたり、高周波ノイズ低減のために初段のアンチエイリアシングデジタルフィルタを導入するなどした。要素部品の納期が予想より長くかかることが判明したため、装置全体としての完成は来年度に持ち越しとなったが、以上のように、設計性能を計画段階より向上させることができたという成果が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
要素部品の納期が想定よりも長かったため、装置全体としての完成は来年度へと持ち越しとなった。一方で、装置の詳細設計を時間をかけて見直すことにより、設計性能を高めることができた。これらより、おおむね順調に進展していると判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、要素部品が到着し次第、設計にそって装置を完成させる。その後、取得データの評価および2年目として計画している研究を順次実施する。
|
Causes of Carryover |
一部の部品の納期が想定よりも長かったため、納品が来年度へ持ち越しとなり、次年度使用額が生じた。部品類の調達発注自体は年度内に行っている。
|