2018 Fiscal Year Annual Research Report
Hybrid laser interferometer for intermittent displacement measurement
Project/Area Number |
17K18421
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
穀山 渉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70643485)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レーザ距離計 / レーザ変位計 / 位相計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノメートルオーダの相対変位計測にマイクロメートルオーダの絶対距離計測を組み合わせた、「ハイブリッドレーザ変位計」を開発する。このハイブリッド方式によって、一般のレーザ干渉変位計(相対変位計)では計測不能な「反射光が障害物に断続的に遮られる状態」においても、絶対距離計測が情報を補間することにより、高分解能を保ちつつ、計測の連続性を確保することができる。すなわち、計測器にとって重要な性能である「ロバスト性」を飛躍的に向上させることを狙う。昨年度(2017年度)までの成果として、研究開始当初にくらべシステムの設計を変更し、設計性能が向上した。 本年度は、それをふまえ、システムの組み上げを試みた。しかしながら、研究途中において新たな競合する先行研究を発見した(Lay et al. Optics Letters [28] 890, 2003)。この先行研究は宇宙機のあいだにおける高ダイナミックレンジ絶対距離計測の基礎実験であり、その光学系の動作原理は、本研究におけるそれと非常に似通っており、本研究のオリジナリティが著しく損なわれることになった。そのため、研究戦略の練り直しを余儀なくされ、予定よりも研究が遅れることになった。 検討した結果、本研究ではデジタル位相計を用いることで高速高精度な位相読み出しを行えることが特徴であるから、その利点を生かすよう方針転換を行うことにした。また、ロバスト性を担保することも特徴であるから、それをより強調するような実験を行うことと計画した。以上より、実験結果を得ることは来年度以降へと先送りとなった。資金を使用しないため本研究課題は本年度で一旦区切りをつけるが、来年度以降に成果へと結びつくよう、引き続き取り組む予定である。
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