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2017 Fiscal Year Research-status Report

高次精度非構造格子法による超並列・圧縮性LESの技術確立

Research Project

Project/Area Number 17K18427
Research InstitutionJapan Aerospace EXploration Agency

Principal Investigator

芳賀 臣紀  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (30646930)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords流束再構築法 / 高次精度 / 非構造格子 / 重合格子 / 大規模並列
Outline of Annual Research Achievements

高次精度・流束再構築法(FR法)の複雑形状への適合性および曲面の形状再現性を向上させるため、ハイブリッド非構造格子で使用するプリズム、四面体の高次要素への拡張を行った。差分法の保存型メトリックを要素の形状関数を介して評価することで、強保存の支配方程式を離散化しても一様流保持を満足することを確認した。既存の格子作成ソフトには高次要素の作成機能がなく、商用格子変換ツールQuickmeshを利用して線形格子から高次プリズム要素の格子に変換した。球周りの外部流れとT字型円筒内の流れに適用し検証を行った。
本研究は実用の複雑形状への適用に必要なFR法の基礎を確立することを目指しているが、利用の普及には格子作成ソフトの高次要素対応が不可欠である。複数セル種が混在するハイブリッド格子の高次要素対応は困難が予想され、前述の通り既存の商用格子作成ソフトでは未対応のため、既存ソフトでも複雑形状の解析が行えるよう、FR法をオーバーセット格子に拡張した。物体周りに非構造プリズムレイヤー格子を作成し、周囲の計算領域は六面体または四面体格子を別途作成し、複数格子を重合(オーバーセット)させる。高次要素が必要となるのは物体周りのプリズム格子だけであり、Quickmeshの変換機能が利用できる。FR法はセル界面のみで隣接セルデータを参照するため、重合境界では面データのみの通信となり実装が容易で並列化に適している。重合境界では保存性を厳密には満たさないが、高次精度補間により不整合の誤差は小さく、また衝撃波のような不連続があるケースでも局所人工粘性(LAD)を用いることで安定かつ高精度に計算可能であることを確認した。
先行的に進めていた分割型移流項により運動エネルギー保存を満たすFR法については、保存の条件を明らかにし、空間16次精度という非常に高い精度でも安定に乱流解析が可能となることを示し論文に掲載された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ハイブリッド非構造格子に用いる高次プリズム要素の保存量保存・一様流保持性については保存型メトリックを用いて満足できることを確認した。非構造プリズムの線形格子から高次要素格子への変換に商用ソフトQuickmeshを試行し、流体解析に利用可能であることを確認した。
高次四面体要素については、単一要素における一様流保持性の解析は完了しているが、Quickmeshが高次四面体要素に未対応のため流体計算における検証は未実施である。実用上は物体表面には六面体またはプリズム要素を配置するため、高次四面体要素を用いることは例外的と考えられる。
複雑形状への適用を進めるうえで、格子作成ソフトの高次要素対応が不可欠であるが、既存の商用格子作成ソフトでは未だ対応していない。既存ソフトでも複雑形状の解析が行えるよう、FR法をオーバーセット格子に拡張した。基本的なベンチマーク問題で良好な解析結果が得られることを確認し、JAXAのスパコン(Fujitsu FX100)上での高速化チューニングを実施し、超音速クラスタジェットとロケット発射支持台が干渉する大規模空力音響LES解析を実施している(計算点数は約3億)。予定していた「京」コンピュータ上でのチューニングは未実施であるが、後継のFX100上でのチューニングは順調に進んでおり、コードの移植に大きな支障はないと考えている。現状FX100の256ノード(8,192コア)を利用して99.9988%の実効並列化率を達成しており、「京」コンピュータで目安となる並列数として約85,000を見据えている。

Strategy for Future Research Activity

ハイブリッド非構造格子において衝撃波のような不連続を高解像度で捉える手法を構築する。既に四角形および六面体セルで優れた性能を確認している局所人工粘性(LAD)法をプリズムセルに拡張する。多種セル形状への拡張にあたっては、速度発散の高階微分に比例する人工粘性の平滑化が数値安定性のために重要となる。これまでに提案したセル内の低次多項式に投影する多項式フィルタは、不規則にセルが並んだ非構造六面体格子でも安定に計算可能であることを確認しており、この知見を活かして研究を進める。
格子作成ソフトの高次要素への対応が遅れている状況を鑑み、ハイブリッド非構造格子の代替としてより柔軟性が高いオーバーセット非構造格子に対して、大規模並列化のチューニングを実施する。高次要素への対応が遅れている要因の一つとして、複雑形状周りのセル形状の歪みに起因する数値不安定や時間ステップ幅の厳しい制約が明らかになってきた。局所的な格子品質の改善が試行錯誤的に必要になることもあり、解析領域の一部分に高品質の格子を利用できるオーバーセット非構造格子の柔軟性を活用したい。最終的には「京」コンピュータを利用して大規模並列計算を行い、従来一週間程度かかっている超音速ジェットのLES解析を1,2時間で実現することを目指す。

Causes of Carryover

複雑形状への適合性がより高いオーバーセット非構造格子への拡張およびJAXAスパコン上での高速化チューニングを優先した結果、「京」コンピュータへのコード移植は実施せず、有償利用費としての見積り分が未使用となった。JAXAスパコン上での高速化チューニングはほぼ完了しており、次年度の早期に移植作業を完了し、大規模並列計算の性能を評価する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Stable, non-dissipative, and conservative flux-reconstruction schemes in split forms2018

    • Author(s)
      Abe Yoshiaki、Morinaka Issei、Haga Takanori、Nonomura Taku、Shibata Hisaichi、Miyaji Koji
    • Journal Title

      Journal of Computational Physics

      Volume: 353 Pages: 193~227

    • DOI

      10.1016/j.jcp.2017.10.007

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 高次精度非構造オーバーセット格子法の航空宇宙問題への適用2018

    • Author(s)
      芳賀臣紀
    • Organizer
      日本航空宇宙学会北部支部 2018年講演会/第19回再使用型宇宙推進系シンポジウム
  • [Presentation] 高次精度流束再構築法による壁面モデルLES2017

    • Author(s)
      芳賀臣紀、河合宗司
    • Organizer
      第 31 回数値流体力学シンポジウム

URL: 

Published: 2018-12-17  

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