2017 Fiscal Year Research-status Report
Basic Research Regarding the Effect of Kakenhi on Research Productivity
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17K18452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大湾 秀雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60433702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 宏一郎 大阪工業大学, 知的財産学部, 准教授 (60446581)
細坪 護挙 文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 上席研究官 (40415625)
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Project Period (FY) |
2017-04-28 – 2019-03-31
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Keywords | 産業組織論 / イノベーション研究 / 科学技術政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学研究者の研究資金の多くは公的資金で賄われており、獲得した研究資金に対して何らかの成果を出すことが求められる。しかしながら、公的資金の配分が実際にどの程度大学の研究者の論文生産性に影響を与えているのか、あるいは、研究者の属性、分野や置かれた環境に応じてその効果にどの程度違いが出てくるのか、政策に有用な形で明らかになっているとは言い難い。本研究では、日本学術振興会より研究者の科研費の取得状況等データ提供を受けることにより、研究者の様々な属性等をコントロールした上で、因果関係の意味での科研費の取得と論文生産性の関係性を明らかにする。本年度は、日本学術振興会より貸与いただいた研究者の科研費取得データと論文書誌情報データベースと接続する作業を行なった。論文書誌情報は論文の質情報を反映できるようにSCOPUSを用い、併せて各論文の被引用件数情報も取得した。また収集した研究者情報をもとにの学会名簿との接続も実施した。また、科研費取得データですべての職歴が明らかになるわけではないため、追加的に必要となる研究者属性情報の収集方法も検討を行っている。 このようなデータベースの接続により、同一分野の研究者における科研費の取得情報と所属先、成果との関連性がわかりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データベース収載の研究者の人数が想定した以上に多く、また経済学分野外の研究者も多かったことにより、それら研究者情報の収集に時間を要しており、その分データベースの構築に時間を要している。また、データベース構築上の同姓同名問題も障害となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ある程度データベースの構築が進んだ段階で予備的な推計等を実施いていく。 研究開始前の公開データのみを用いた分析では、審査員と応募者の専門分野の重なりは、採択確率に有意な影響を与えることが明らかになっていた。今後、審査員と応募者の専門分野を操作変数として用いた2段階最小二乗法、審査の平均スコアを用いた回帰不連続デザインによる分析、それらの影響の研究者の属性による違いなどをみる分析など、を今後進めていく。また少し結果が出てきた段階で、年度内に予定している国際コンファレンスの具体的な準備に入る。
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Causes of Carryover |
前出の遅延理由からデータベース構築が遅れており、そのための人件費の支出が次年度に繰り延べになった。また、研究代表者および研究分担者の1名が共に、大学を移籍したため、そのための準備や移動のために、本研究課題作業を翌年度に回したことも影響した。
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Research Products
(7 results)