2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the actual conditions of voice and music in the Medieval Ages; based on sutra chanting
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17K18478
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柴 佳世乃 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (60235562)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 仏教 / 儀礼 / 唱導 / 読経 / 澄憲 / 講式 / 中世文学 / 音曲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中世において様々なかたちで体系化がなされた〈音曲〉の実態を、仏教儀礼における音声、特に読経を基点として具体的に解明し、諸芸能が音曲面で連動していることを浮かび上がらせることを企図するものである。 2020年度の大きな成果は、講式復元法要の実現に基づき、引き続き講式作成の現場を考察すべく、講式の経文利用の実態について明らかにしたことである。澄憲が作成した『如意輪講式』の式文を読み解き、澄憲がどのような経典をどのように引用・利用しているかの具体的究明を行った。昨年度までの本研究を通じて、これまで知られなかった経典(『随心如意輪経』)を発掘したが、それがどのように講式に利用・反映されているかを式文と経文を照合することによって明らかにした。また、講式に利用された経文をひとつひとつ確認することによって、如意輪観音に関わる経典類がどのように読まれていたかが浮かび上がった。これらの成果は、澄憲周辺の知の集積の様相を解明することにも直接つながるものである(以上は、論文①にまとめ公表した)。 さらに声明研究者との共同作業により、〈読経音曲〉の復元の糸口を見出した。東大寺修二会の音曲を譜本および読経の口伝書に照合する基礎作業を進め、これが有効な端緒になることに行き着いた。 公にした研究成果は次の通り。①柴佳世乃「澄憲の講式作成の具体相―『如意輪講式』における経文引用―」(千葉大学『人文研究』50号、2021年3月、pp.1~24)。
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Research Products
(1 results)