2020 Fiscal Year Research-status Report
Seeing off endangered languages and selecting a langauge in deathbed
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17K18486
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (30249940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 理惠 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00368507)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 看取り / 危機言語 / 悲嘆 / 臨床心理 / 言語選択 / E. ブロンテ / D. H. ロレンス / シベリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、2019年度が最終年度で3カ年の研究を終える予定であったが、2020年2月以降、徐々に活動を制約する新型コロナウイルス感染症予防のために、2019年度の研究活動を全て終えることが出来なかったのを受け、藤代は、2020年度当初には速やかに前年度までに原稿(見本版は2019年度に作成)をとりまとめていた言語学関連の研究成果の紙媒体による公開(CSEL21号)を行い、山内はイギリス文学にみる臨床での悲嘆や人間が死に対して抱く恐怖を巡る論文を学会誌等で出版した。また、それぞれ、いくつかのオンラインを利用した研究発表も行った。 これらの研究成果を発表する一方で、2019年度から計画を進めていた本研究の主題「言語の看取りと看取りの言語」を今回のパイロット的研究から、より普遍性を持ち、対象地域も広め、学問領域横断的な研究へ発展させていくことを企画した。そのために研究班に、現在の人文学分野の研究者によるのみでなく、より広く特に医療分野の研究者を加え、対照言語地域も格段に広げる研究のデザインを本研究課題代表者と分担者の山内が中心になり、試みた。残念ながら、科研費公募に応じて提出した計画は2020年度は採択されなかったが、折からのコロナ禍で益々重要となる言語と医療の接点に立つ研究について、引き続いて企画を修正しながら、看取りのみでなく復興を視野にいれた研究企画としてまとめ再度応募した。 後継となる研究について、本来であれば、2020年度に繰り越された補助金を用いて、さらにこの研究に関与する情報収集につとめる予定であったが、コロナ禍のため、その点は叶わず、2021年度前半に持ち越されることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度には、2019年度の計画で遅延のあった研究成果を取りまとめ紙媒体を仕上げ、配付することが出来たものの、この成果を受けて、さらに言語の看取りと看取りの言語を巡る研究を深化させるために発展的な研究を企画したが、新型コロナ感染防止のために、基礎的な情報収集につなげることが出来ず、これまでの萌芽研究を具体的な計画につなげる段階に進めるのが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度の遅れを取り戻し、このパイロット的性格をもつ萌芽的研究を開拓研究へと進める予定であったが、開拓研究に採択されなかったため、研究の練り直しを図った。文化圏を拡大し、医療分野からの知見を取り込み、また、日本国内外に言語文化並びに医療文化の研究対象として、重点的な地域を絞り込む予定で計画をすすめている。2020年度に繰り越した補助金を以て、特に日本国内においても、例をあげれば、アイヌ語と日本社会を背景にした言語使用のあり方や、医療現場の在日外国人の言語使用などについて、具体的な情報をもとに更に言語の復興も視野に入れた看取りと看取りの言語を巡る問題を深化させていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症予防措置のため、予定していた会議、渡航などが実施出来ず、情報収集はオンラインあるいは出版物によらざるを得ず、支出額が小さくなったため、次年度使用額が生じた。次年度も上記感染症予防を重視しつつ、研究課題を具体的に発展させるために使用する。
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Research Products
(9 results)