2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K18496
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
玄 幸子 関西大学, 外国語学部, 教授 (00282963)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 中国語口語 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国語口語音を歴史的な観点から再構し、その体系をアルファベット表記で可視的にとらえなおすことを目的に、本年度の研究実施計画に則して、敦煌文献の中から、最初の試みとして口語性の高い資料(舜子変、韓擒虎話本、燕子賦、廬山遠公話)を選出し、その中から口語を抜き出し、別字表記の状況を調査した。並行して、字音ではなく言語音を対象とする研究方法自体が中国語史の上では、従来にない新たな試みであるため、アメリカの漢学者によるABC dictionary編纂の手法を参考にすべく、海外研究協力者である主編纂者(Victor)を含む編纂機関とミーティングを行った。同ミーティングでは中国(張・高田)の海外研究協力者も招聘し、異なる観点からの意見を徴収したが、『辞通』など中国の小学(伝統的語学)においても参照すべきものがあるとの指摘を受け、対象とする史料の幅を広げるように軌道修正を行っている。 データの整理についてはサンプル作成までには至らず、引き続き取り組んでいるところである。よって、アルバイトによる入力およびwebでの公開に向けての準備については、2018年度終了時に報告する予定である。なお、最終年度(2019年度)に上記研究協力者3名を招聘し国際シンポジウムを開催することが内定しており、参加予定者にはミーティング時に快諾を得、会場他については学内申請など具体的な準備を進めているところである。さらにミーティング時に示唆を受けた中国で現在進行中の敦煌文献総集の出版状況について、その詳細と進捗状況を調査するため、秋に責任者である海外研究協力者の張教授を訪問し、併せて次年度国際シンポジウムの打ち合わせを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択通知を7月に受けた時点で、すでに年度の3分の一を経過していたため、海外研究協力者とのミーティングの日程が2月にずれ込み、データサンプル作成およびアルバイトによる入力作業に後れをきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル作成およびデータ入力の遅れを取り戻し、当初設定した2018年度の計画の通り進め、さらに2019年度に開催を予定している国際シンポジウムの準備を並行して行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していたアルバイトによるデータの整理および入力作業が遅れており当該年度に実施できなかったため、主としてアルバイト報酬について繰り越して使用する予定である。 また、当初の2018年度計画に沿って、webでの公開に向けての準備と最終年度(2019年度)に開催予定をしている国際シンポジウムに向けての準備を主として進めていくが、その過程で進捗状況に併せて研究例会・学会などでの一部公表を予定している。よって中国での打ち合わせにかかる出張費用、學會例会参加に関連する費用および前年度に続くデータ整理のための資料・機器購入費を本年度の主たる使用計画として予定している。
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Research Products
(6 results)