2017 Fiscal Year Research-status Report
漢文訓点資料の国際文書構造記述による共有化と書き下し文自動生成のための基礎研究
Project/Area Number |
17K18506
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
高田 智和 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 准教授 (90415612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 孝治 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90611640)
堤 智昭 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 助教 (80759035)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 訓点資料 / 漢文訓読 / ヲコト点 / 文書構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研課題究は、前近代の漢文訓点資料を対象として、(1)漢文本文及び訓点(読み仮名、送り仮名、ヲコト点・声点・句読点・語順点などの各種記号)を文書構造の国際記述(TEI: Text Encoding Initiative)に基づく構造化記述法を考案する。(2)平安・鎌倉時代を特徴付ける訓点であるヲコト点(漢字の四隅・四辺等に記入して読みを表す記号)のデータベースを作成する。(3)(1)と(2)のデータに基づいて、ヲコト点の類型と系統を定量的観点から考察する。(4)(1)と(2)のデータに基づいて、漢文訓点資料の書き下し文の自動生成方法を検討する。これらにより、漢文訓点資料の解読成果を学界で共有するための基盤構築を目的とする。 平成29年度は以下の活動を行った。(1)訓点の定量的分析のための文書記述を検討した。(2)ヲコト点入力を主目的とした移点ツールのプロトタイプを作成し、『尚書(古活字版)』(国立国語研究所蔵)の記述に着手した。(3)喜多院点や古紀伝点など点図集所載の主要26点図を座標表現を用いてデータ化し、これを収録したヲコト点データベースを試作した。(4)主要26点図について、ヲコト点の読みの種類、読みの長さ、打点位置、記号形状に関する基礎分析を行い、「訓点資料の構造化記述方式と計算機を用いた基礎計量」を『情報処理学会論文誌』(vol.59 No.2、2018年2月)に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訓点の定量的分析のための文書記述を検討、ヲコト点入力を主目的とした移点ツールのプロトタイプ作成、主要26点図を収録したヲコト点データベースの試作を行った。また、主要26点図を収録したヲコト点データベースの試作に基づき、主要26点図の基礎計量分析を『情報処理学会論文誌』(vol.59 No.2、2018年2月)に公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
『尚書(古活字版)』(国立国語研究所蔵)のデータ化を通して、文書記述方法の見直しと移点ツールの改良を行う。また、これまでに各研究者が訓点資料の原本調査によって帰納した点図をヲコト点データベースに追加収録し、この作業を通して、データベースの構造やメタデータの項目の再検討を行う。
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Causes of Carryover |
[理由]データ作成の人員(アルバイト)を十分に確保できなかった。 [使用計画]データ作成の人員(アルバイト)の確保に努めるとともに、必要に応じて業務委託(外注)を実施する。
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Research Products
(3 results)