2019 Fiscal Year Annual Research Report
A multisectoral anthropological study of how people acquire knowledge of the environment after the nuclear accident in Fukushima
Project/Area Number |
17K18523
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内山田 康 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50344841)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 原子力マシーン / 放射能汚染 / ウラン鉱山 / 生活世界 / マルチテンポラリティ / マルチサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年7月に2週間のフィールドワークを行い、アメリカ合衆国ニューメキシコ州のナヴァホインディアン保留地にあるウラン鉱山跡の放射能汚染についてインディアンのインフォーマントらに話を聞き、研究者たちから話を聞いた。また核廃棄物の地層処分場WIPPの地下の施設を訪れて話を聞いた。アラモアナ研究所の周辺のプエブロインディアンたちから核廃棄物による環境汚染について話を聞いた。 2019年9月にガボンで1ヶ月間のフィールドワークを行い、1958年から1999年までウランが採掘された複数の鉱山があったムナナを歩き、ウラン鉱山が閉じられた後の日常について調査を行うとともに、オクロ天然原子炉を訪れて、再生事業終了後の汚染について調査した。 2020年2月下旬から3月末にかけて、ガボンのムナナでフィールドワークを行い、放射能に汚染された環境における日常生活、放射能汚染について人々が何をしっているか、事業者と地元民の関係、放射能で汚染した建材で建てられた住宅に住み汚染した店舗を使う日常、その部分的な再建の過程、放射能汚染に関する人々の知識の相違と感覚のずれ、ウラン鉱山で働いていた人たちの日常について参与観察および聞き取り調査を行った。 調査研究の結果は、福島第一原発事故の避難者・被災者らの多くが購読する福島県いわき市で発行されている『日々の新聞』に3ヶ月の休筆期間をのぞき、月二回のペースで「戸惑いと嘘」の27回から44回までを18回の連載を書いた。2019年9月に『原子力の人類学:フクシマ、ラ・アーグ、セラフィールド』(青土社)を出版。2020年3月に「ウラン鉱山と二つの生活世界」『歴史人類』48: 69-83刊行。このほかフランス語の記事を翻訳・編集した「核燃料ーある芳しくないフランスの現状」『原子力資料情報通信』539: 8-11。学会、シンポジウムなどの発表は8回行った。
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