2017 Fiscal Year Research-status Report
専門士業の「専門性」形成のモデル構築:社会保険労務士を手がかりとして
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17K18540
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 康太 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00302282)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 社会保険労務士 / 新しい職域 / 職業倫理 / 国際業務 / コンサルティング / 産業保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、アンケート調査を中心として研究を行った。採択・交付決定を得た7月からアンケート調査の準備を始め、8月下旬に科研メンバーによる会合をもち、9月に東京都社会保険労務士会を訪問、10月に全国社会保険労務士会連合会を訪問して準備のための意見交換を行った。これらの意見交換を通じて、アンケート調査の方針を確定するとともに、全国社労士会連合会等とのWin-Winな協力関係を構築することができた。 社労士を対象とするアンケート調査は、全国社会保険労務士会連合会および社会保険労務士総合研究機構の協力をえて、3000通の郵送法調査と、ウェブアンケートを併用する形で実施した。調査期間は2月10日から3月31日までの約1ヶ月半である。アンケートでは、全国の社労士に対して、社労士を志した経緯、これまで行ってきた業務とこれから行いたい業務、新しい職域への関心、職業倫理、自身の性格傾向などについて質問した。現時点ではまだ整理段階であるが、1000通を超える有効回答を得ることができた。さらに、自由記述から、こちらが想定していた以外の新しい業務についてのデータも得ることができた。現在、業者に依頼して調査票のデータ入力作業を進めるとともに、自由記述等の整理を行っているところである。 調査結果は冊子にまとめ、平成30年度に実施する「社労士職域開拓セミナー」(全国の主要都道府県の社会保険労務士会の協力を得て調査結果をたたき台に討議型意見聴取を行う)の基本資料とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の事業の中核となるアンケート調査を年度内に実施し、多角的な統計分析を行うのに十分な回答数を得ることができた。アンケートから、社労士を志した経緯、これまで行ってきた業務とこれから行いたい業務、新しい職域への関心、職業倫理、自身の性格傾向についての基礎的データを得ることができ、また、自由記述からこちらの想定していなかった新しい業務についてのデータが多数得られたことは大きな成果であった。アンケート調査の結果を分析し、さらに掘り下げていくのが平成30年度の課題である。 また、準備の過程で東京都社会保険労務士会、愛知県社会保険労務士会、全国社会保険労務士会との公式の協力関係を構築することもできた。社会保険労務士団体の協力のもとに、さらに踏み込んだ調査を実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、アンケート調査の結果の分析を進めるとともに、夏から秋にかけて「社労士職域開拓セミナー」を全国の主要都道府県の社会保険労務士会の協力を得て実施し、調査結果をたたき台に討議型意見聴取を行う。このセミナーは、全国社会保険労務士会連合会を通じて、東京都社会保険労務士会、大阪社会保険労務士会、愛知県社会保険労務士会、宮城県社会保険労務士会、北海道社会保険労務士会、福岡県社会保険労務士会(実施場所は全国会を通じた調整段階で変更の可能性あり)で実施する計画であり、社会保険労務士の職域動向と地域性との関連性について質的な検討を行う予定である。 以上の調査結果は12月(もしくは1月)に行うシンポジウムでの検討を経た上で、研究成果報告書の形にまとめてウェブ等で公開する予定である。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の料金後納3月分がまだ未払いであり、これは平成29年度予算で支払われるべき金額である。調査票データの入力もまた昨年度から継続する作業なのであり、これも平成29年度予算と平成30年度予算とを合わせて支払を行う予定である。平成30年度は全国主要都市の社会保険労務士会を訪問して「討議型意見聴取」を行うが、そのたたき台となるのが、アンケート調査の単純集計結果の分析であり、残額はその整理作業ですべて使う予定である。
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Research Products
(4 results)