2017 Fiscal Year Research-status Report
逆像概念を用いた法性決定理論再構築:数理モデルによる国際私法構造分析
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17K18542
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八並 廉 九州大学, 法学研究院, 准教授 (20735518)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 国際私法 / 写像 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際的な法律紛争の場合、当該紛争の解決のためにいずれの国の法を適用すべきかを判断する(「準拠法」を決定する)プロセスが不可欠になる。準拠法決定規範である国際私法の総論的研究を理論面から発展させることを将来的な目的として、本研究課題は、数学的概念を用いた国際私法規範の記述を提案することを目標としている。その初年度にあたる平成29年度においては、写像・像・逆像という数学の概念を用いて、準拠法決定のための国際私法規範の構造を記述するための数理モデルの原案を構築した。同年度中に、その成果の一部をとりまとめ、国際カンファレンスに応募した結果、採択され、平成30年度に研究発表することが決定した(Ren Yatsunami “Preliminary Study on Mathematical Model of Asian Conflict of Laws,” 15th Asian Law Institute Conference ‘Law into the Future: Perspectives from Asia,’ Seoul National University (SNU) School of Law, 10-11 May 2018)。 また、国際私法の構造の記述・分析するための数理モデル原案の課題を特定・検証するために、国際私法分野の裁判例の収集・分析を進めているところであり、その成果の一部として判例評釈の執筆も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
写像・像・逆像の概念を用いた国際私法のモデル化という新しい試みについて、モデル原案をまとめた研究報告案が、上記の国際カンファレンスにおいて採択されたことで、本研究の現段階の構想や進捗について客観的にも一定の評価が得られたと思われ、本課題は全体としておおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降においては、これまでの研究活動によって特定された数理モデル原案の課題を体系的に整理し、それぞれへの対応策を講じることで、モデルの精緻化を図る。また、国際カンファレンスでの研究報告等を通じて外部からのコメントを積極的に得ながら、研究成果の公表も進めていく。
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