2020 Fiscal Year Research-status Report
「教育経済学」の新たなフロンティアを目指して-国際貿易理論によるアプローチ-
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17K18555
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
永田 雅啓 麗澤大学, 国際学部, 特任教授 (50261871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 未来 立命館大学, 国際教育推進機構, 教授 (70377761)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | グローバル・ランキング / 教育経済学 / 国際経済学 / 高等教育 / サービス貿易 / 留学 / 実証分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育の国際化現象の分析は、これまで主として教育学者によって行われ、経済学的な枠組みでの理論的・実証的な分析はほとんど行われてこなかった。本研究では、「国際経済学」の枠組みで高等教育の国際化の問題を捉え直し、その実証的な解明を試みる。それを通じて「教育経済学」の新たなフロンティアを開拓することを目的とする。また、この10年ほどでグローバル・ランキングが世界の高等教育に与える社会的な影響は飛躍的に高まっており、各国の高等教育行政にも大きな影響を与えるようになってきている。本研究によって得られる成果は、こうした問題にも科学的な検証を加え、政策面での資料としても資するものである。 本年度は、新型コロナウィルスの蔓延で海外渡航および海外からの研究者の招聘が難しい状況だったため、主として定量的な分析に重点を置いた。海外の研究協力者でもあるAxel Karpenstein氏(ドイツ、Deutsche Akademische Austauschdienst(DAAD), Senior Research Officer) とオンラインで分析結果について意見交換を行った。グローバルランキングが留学生の行動に与える影響を定量的に捉えるのは本研究の重要な一部だが、データが十分でないことや、2020年以降のデータは、新型コロナウィルスの影響を大きく受けているため、従来のモデルの延長線上にはない難しさがある。現時点では、データ収集を行い、現時点で可能な限りの検討と分析結果のまとめを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年度に行ったグローバル・ランキングが世界の大学に与える影響に関する国際シンポジウム「グローバル・ランキングと日本の大学の将来」(主催:本科学研究費助成事業。共催:JAFSA、JCSOS、麗澤大学。協力:立命館大学国際教育センター、 上智大学 )結果、ならびにこれまでの定量分析の結果をまとめる段階に入っている。概ね順調に推移しているものの、新型コロナウィルスの影響で海外の研究者との直接交流が困難になり、そのために研究のまとめに時間がかかっている。 また、留学生等の国際移動のデータは、もともと収集が難しいことに加えて、新型コロナウィルスの影響を直接受けるため、分析結果に与える影響が未知数である。本年度は分析を深めると同時に、分析結果のまとめ作業を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、実証分析を行うが、グローバル・ランキングの経済的影響の定量分析の結果の評価を行う。年度後半では、もしも可能になれば、海外出張もしくは海外の研究協力者を招聘して国際セミナーを開催し、その結果を基に、さらに分析を深める。新型コロナの影響で海外出張や海外の研究者の招聘が困難な場合は、オンラインの会議の開催も検討する。
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Causes of Carryover |
研究の最終段階として研究会を予定していたが、新型コロナウィルスの流行により、海外の研究者との往来も難しいため、研究会を2021年度に延期して実施したい。
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