2018 Fiscal Year Research-status Report
The Effects of Time Difference on International Transactions
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17K18557
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 慎一 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00221531)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 時差 / 貨幣理論 / 資産価格 / 波及効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間のプロジェクトの2年目にあたる2018年度は、伝統的な貨幣理論を基礎とした理論的なフレームワークの構築と、その理論分析の結果を踏まえて行う高頻度の金融データを使った実証分析が研究の2つの大きな柱となった。第1の研究では、従来の貨幣理論を大幅に修正・拡張し、経済主体ごとに取引を行う時間帯が異なる場合に、金融取引がどのようにして形成され、それが資源配分にいかなる影響をもたらすのかを理論的に分析した。また、第2の研究では、理論分析の結果を踏まえつつ、高頻度の金融データを使って、資産価格の地域間の波及効果を実証的に分析した。研究では、近年標準化されつつある分析手法を部分的に踏襲して時間帯ごとの高頻度の金融データを使う一方で、地域間で時差が存在しているというこれまで分析されてこなかった斬新な発想のもとに、それが実際の資産価格の形成や地域間の波及効果にどのような影響があったのかを実証的に分析した。その成果の一部は、研究代表者と若手研究者の共同研究として国際学術誌に刊行されるなど、学術的な貢献だけでなく、若手研究者の育成にも大いに有益であった。なお、研究を推進するにあたっては、海外の研究者にも研究協力者として加わってもらい、個別の分析に参加してもらった。研究の進行状況に応じて、海外の視点から研究全体に対するアドバイスを適宜もらうと同時に、上述の研究成果に対して適切なコメントをもらい、研究の刺激を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の一部は、すでに研究代表者と若手研究者の共同研究として国際学術誌に刊行されるなど、学術的な貢献だけでなく、若手研究者の育成にも役立っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度に当たる2019年度も、これまでの計画通り研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
研究計画は順調に進んでいるが、当初計画していた外部の研究者のヒアリングの日程が先方の都合で次年度になるなどした結果、若干の金額が次年度使用額として生じた。ただ、次年度はそれを含めて当初の予定通り使用する予定である。
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Research Products
(11 results)