2017 Fiscal Year Research-status Report
Recruitment of Cotton Spinning Industry in the Meiji Era: An Approach from Visual Sources
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17K18566
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平野 恭平 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10509847)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 経済史 / 経営史 / 画像史料 / 視覚メディア / 写真 / 絵葉書 / 綿紡績業 / 労働者募集 |
Outline of Annual Research Achievements |
明治期の綿紡績業での労働者募集をめぐる視覚メディアの利用の実態を明らかにするため,平成29年度は,史料収集を行うことから始めた。具体的には,視覚メディアの利用を先駆的に行った鐘淵紡績の写真帳,労働者募集案内,会社案内などの史料の収集を進めると同時に,競合関係にあった大阪紡績,尼崎紡績,摂津紡績などでの労働者募集に関連する史料の収集も行った。この時期の視覚メディアの利用をめぐっては,日本にもたらされて間もないことから,写真技術や印刷技術に規定されることが大きかったため,これらの文献や史料についても追加的に収集することにした。これらの調査によって,鐘淵紡績では,募集人が労働者を欺き農村社会で警戒が増す中,また紡績企業間での労働者募集が激化する中,自社の労働環境を正しく農村社会や労働者に伝えて労働者募集を有利に進めるため,意図的に写真という当時の最先端の視覚メディアを利用したことの一旦が明らかになった。また,労働者から郷里に送られた紡績企業発行の絵葉書についても,労働者と農村社会をつなぐ重要な視覚メディアの1つになっていた可能性が明らかになってきた。 この成果を踏まえて,社会経済史学会近畿部会11月例会・経営史学会関西部会11月例会共催(平成29年11月25日,於:京都大学)にて「明治期紡績業における労働者募集と写真利用 鐘淵紡績の事例を中心に」の研究報告を行った。同報告では,明治期の綿紡績業での労働者募集についての先行研究レビューや明治期の綿紡績業の画像史料の分析を行った。 その後も,学術論文の作成に向けて,明治期の鐘淵紡績の労働者募集に関連する史料収集・調査を続けたが,まだ不十分であるため,平成30年度も継続して行うことにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料収集・調査については,当初の計画通りに実施し,論文作成に必要な史料は集まりつつあり,研究報告を行うこともできた。しかし,明治期の綿紡績業での労働者募集をめぐる視覚メディアの利用の実態をより明らかにするためには,追加の史料収集・調査が必要であると考える。このような状況から,平成30年度にも史料収集・調査を継続する必要があるが,概ね順調に進展していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で触れたように,明治期の綿紡績業での労働者募集をめぐる視覚メディアの利用の実態をより明らかにするために追加の資料収集・調査を行う必要があるため,平成30年度も継続して行うことにする。具体的には,明治期の綿紡績業での全体的な視覚メディアの利用状況を把握するための幅広い画像史料の収集,鐘淵紡績での視覚メディアの利用についての経営者側の意図が読み取れる史料,紡績企業発行の絵葉書(可能であれば,労働者から郷里へのメッセージなどが記載されたもの)などの収集・調査である。これらの史料を利用し,学術論文としての完成を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)帳尻合わせのためだけに文具などの小額品を無駄に購入する必要はないと判断した。
(使用計画)平成30年度も継続して史料収集を行う予定であるため,文献の取り寄せや複写に利用する。
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Research Products
(1 results)