2017 Fiscal Year Research-status Report
A Combined Approach of Area Study and Structural Estimation on Market Competition Quality Evaluation: Case of Competitive Neutrality of SOEs in China
Project/Area Number |
17K18567
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
渡邉 真理子 学習院大学, 経済学部, 教授 (10466063)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
Keywords | 構造推定 / 地域研究的手法 / 需要推定 / 中国 / 競争戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、地域研究的手法と構造推定による市場競争の質の評価を目的としている。構造推定を用いた市場の競争状況、社会厚生の推定という手法と、地域研究的なアプローチで確認される事実を統合し、より、政策や戦略決定の判断に直接つながるような問題設定に対して、計量的な回答を与える作業をしている。 具体的な研究テーマは、(1)中国国有企業の競争中立性の検証、(2)企業間信用をめぐる制度と戦略の実証分析、(3)インドネシアとベトナムにおける二輪車産業における企業戦略の実証的把握、(4)中国の携帯電話産業における半導体企業における、半導体および携帯電話産業の戦略の実証的把握、(5)同じく中国の携帯電話産業における半導体企業に対する独占禁止法の判決の評価などである。 分析の手法は次のとおり。まずなるべく精緻化した手法で需要推定を行い、個別の財レベルでの便益(=支払い最大金額)と費用の推計を行い、市場が実現している価値の額を確定する。その上で、焦点となる企業や消費者の行動が、どのような影響を与えるのか、事実を丹念に確認したうえで、それを反映した経済学的な行動モデルを描く。上述の推計値を用い、企業行動のモデルが予測する結果が起きていたのかを検証するという作業を行っている。 これらの成果を、(1)がEconometric Society Asian Meeting, 日本経済学会、Econometric Society China Meeting、(2)Theory of Share Tenancy 50 years Conference, (3)Econometric Society Asian Meeting、(4)アジア経済研究所でのワークショップ、(5)中国経済経営学会、については、学会およびワークショップでの発表を行った。(2)についてはコンファレンスの成果をまとめる雑誌の特集号での掲載が決まった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析の精緻化、学会参加と論文投稿を進めている。論文がアクセプトされるには時間がかかり、そのたびに修正をしていくことになるが、このプロセスに時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
リサーチアシスタントの雇用、共同研究者との共同作業の緊密化によって、作業を進めていく。また積極的に学会発表などでの成果の報告も進めていく。
|
Causes of Carryover |
学会発表が年度前半に集中し、本経費の執行がまだできなかったため、学内の予算などを利用することになり、計画に変更が生じた。今年度の学会報告のための経費とする予定である。
|