Challenging Research on the Agent-Based Complexity Macroeconomic Model of the Japanese Economy

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K18572
• Research Institution: Osaka University of Economics
• Principal Investigator: 細井 真人 大阪経済大学, 情報社会学部, 教授 (20312100)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小川 正史 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (90310531) ; 細井 雅代 追手門学院大学, 経済学部, 教授 (90368407)
• Project Period (FY): 2017-06-30 – 2023-03-31
• Keywords: 複雑系経済学 / マルチエージェント / シミュレーション経済学

Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では、日本経済のエージェントベース・マクロ経済モデルの設計、構築に取り組んだ。
現実の経済社会は複雑であり、異質の、多数の家計や企業から構成されており、それらが不完全な将来見通しや、不完全な情報の中で、各々が複雑な相互関係を持ち影響しあいながら経済活動を行い、経済社会を形成している。そこで、複雑系研究で展開されているエージェントベース・モデルを用いて日本経済の諸課題をコンピュータ・シミュレーションで分析することができるようなエージェントベース複雑系マクロ経済モデルの設計、構築を試みた。
少子高齢化や公的債務の膨張にみられる日本経済の現在の長期的な課題の分析、解決につながるように、我々で独自モデルの設計を行い、テストシミュレーションと検証を繰り返している。我々が設計、構築しているベースモデルでは、経済システムの長期の分析を念頭において、現在の日本の人口、性別、年齢に従い、資産、所得が異なる家計（個人）をコンピュータの中に生成し、やや将来を見据えた消費、貯蓄行動を行うように、多様な家計（個人）と、いくつかの家計の行動ルールをモデル内に実装している。企業部門、政府部門に加えて、海外部門の導入、家計部門の相続を含むモデルの再設計、再構築に取り組んだが、モデルが複雑で規模が大きくなりすぎ、モデルの簡素化およびシミュレーション時間の短縮が課題として残っていた。
構築したモデルが複雑で規模が大きくなりすぎ、またシミュレーション時間の短縮も必要であるため、本年度はモデルの再設計、再構築を行い、今後の検証の後、発表を準備している。