2017 Fiscal Year Research-status Report
Study on resettlement of climate refugee
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17K18590
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
藤倉 良 法政大学, 人間環境学部, 教授 (10274482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 幹康 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (10217945)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 海面上昇 / 難民 / マーシャル諸島 / 移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
マーシャル諸島共和国マジュロ市にあるUniversity of the South Pacific (USP) Marshall Islands Campusに在学する47名の学生に対してアンケート調査を実施した。その結果、91%が海面上昇を認識しており、94%が気候変動の原因と結果を認識していた。49%は海外に移住する計画を持っていて、そのうち39%が米国へ、17%がフィジーへの移住を希望していた。また、22%は翌年中に39%は5年以内に移住する予定である。移住の主目的は学業、就職などであるが、3人が海面上昇を移住の理由のひとつにあげていた。 マーシャル諸島共和国からの移住者が多数居住する米国アーカンソー州スプリングデールで移住者に対する45人へのアンケート及び29人への面接調査を行った。60%はマーシャル諸島共和国から直接、スプリングデールに移住した。移住の理由は、36%が家族同居、26%が就職、23%が学業、15%が健康上の理由である。現在、46%が失業中である。主な就職先は鶏肉加工業のタイソン社に35%、穀物メジャーのカーギルに35%、ジョージズに19%である。多くのマーシャル人は生活レベル改善のためにスプリングデールに移住してきているが現実には生活は改善していない。母国での学歴や資格が米国で同等に評価されないことや、英語力の不足、米国の生活に関する知識不足、スプリングデールでの職業訓練の不足、銀行からの借り入れの困難さなどが障害となっていた。さらに、スプリングデールで住民を交えたワークショップを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マーシャル諸島共和国から移住しようとする人と、彼らの主たる移住先である米国アーカンソー州スプリングデール市での予備調査を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マーシャル諸島共和国での深堀調査及びミクロネシア連邦での調査を行う。また、後者からの移住先での調査を実施する。 気候変動による難民が発生した場合、その移住速度は遅いものと予想される。一方、紛争による難民は短期間に大量発生する。後者を伝統的に受け入れてきたオーストリア・ウイーン市の政策と実情を調査し、気候変動難民受入の教訓を得る。
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Causes of Carryover |
交付内定が6月30日になったことから、全体の使用計画が3カ月後ろ倒しになったため213,880円が未使用となった。平成30年度はこれをマーシャル諸島共和国の深堀調査に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)