2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Permanent Recycling of Cemeteries
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17K18591
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
菅野 博貢 明治大学, 農学部, 専任准教授 (40328969)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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Keywords | 墓地計画 / 永続的利用 / 循環利用 / 自然葬 / 葬送文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は墓地の永続的利用に関する資料を主に海外に求めて調査を行うことを計画していたのだが、コロナ禍のために予定の調査を実施することができなかった。不本意ながら、最終年度に得られた成果はほとんどなく、過去の収集データの整理とデータベースの作成などが唯一の成果である。 研究期間全体を通じての主な成果は、コロナ禍により移動制限が厳しくなる以前の2020年3月までのものに限定される。本科研費申請時期とほぼ同時期に、『世界の庭園墓地図鑑』を出版し、それまでに収集した情報をもとにヨーロッパと北米、中南米の墓地事例を紹介した。本科研費助成期間においては、前掲書発刊時点では未調査だったオセアニアとアジア各地、ヨーロッパのイベリア半島について、調査を実施する計画であったが、実施できたのはオセアニアでの調査とヨーロッパ主要都市での補完調査のみであった。 現地調査を実施したオーストラリア、ニュージーランドでは、多様な宗教、多様な価値観に対応した墓地の姿を捉えることができ、墓地の社会的位置づけにおいて、世界でも最も先進的な考えを持ったエリアであることが明らかになった。特に、遺体とともに生分解性のものしか埋葬しない自然葬墓地が、一般墓地と共存する墓地環境を調査できた意義は大きかったと考える。 以上のようにコロナ禍の影響をまともに受けてしまったために成果は乏しいが、2021年発刊の『環境デザイン入門』に本科研費研究期間に情報収集した墓地の事例を掲載することができたのは幸いであったと考える。また、海外調査が実施できなかった期間中、日本国内で両墓制の取材が行えたこと、沖縄の亀甲墓の調査を実施しその延長で中国福建省にそのルーツを探し出せたことは、今後の研究につながる成果であると考える。
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