2018 Fiscal Year Research-status Report
多様な性に関する教育実践モデルの開発を目指す調査研究―教育現場との協働を中心に―
Project/Area Number |
17K18602
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
木村 育恵 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50447504)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ジェンダー / 多様な性 / 教育実践 / ジェンダーと教育 / 教員研修 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校養育現場においてジェンダー、セクシュアリティに関する教育を展開・浸透させていくための教育実践モデルの開発を目指すものである。特に、学校の中で具体的な支援が求められている「多様な性」に関する教育実践のありように焦点をあてて、これらの教育実践をめぐる教育現場の現状と、実践が進展/抑制される現場の力学や解釈実践を明らかにしていく。これをもとに、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる教育を豊かに推進していくための教育実践や教員研修体系等について、地域の学校あるいは教師たちと協働的に開発していくことを目指す。 本研究では、北海道をフィールドに、多様な性に関する教育実践がいかなる課題意識や知識をもとにして、どのように扱われ、また解釈されているのかを、教育行政等の政策的な①マクロ視点、学校及び教員のありようや実践に関する実態、ジェンダーや多様な性に関する認識等といった②ミドル視点及び③ミクロ視点の各観点から、質問紙及びインタビュー調査等によって多角的に捉えていく。 2018年度は、ジェンダーやセクシュアリティに関する教育実践に関し、②ミドル視点及③ミクロ視点の研究を実施した。②については、北海道内の公立小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教員約4,900名を対象に、質問紙による実態調査を実施した(回収率20.5%)。また、③については、ジェンダー、セクシュアリティに関する教育の体系や研修内容を現場教員と協働的に議論、構築する具体的試みとして、公開講習会「第1回 性の多様さを持つ子どもたちのサポートを学ぶための講習会・函館」を開催し、学校教育現場の実態と教育実践及び研修モデル開発についての基本的課題を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、ジェンダーや多様な性に関する教育実践モデルを検討するために、当初予定どおり、②ミドル視点の研究として北海道内の公立学校教員を対象にした質問紙調査を実施し、③ミクロ視点の研究として現場教員と連携した教育実践の検討及び公開講習会を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き②ミドル視点の研究として、道内公立学校教員を対象にしたジェンダーや多様な性に関する教育実践の実態を分析し、教育実践モデル及び教員研修体系の提案に向けた課題を明らかにしていく。 また、③ミクロ視点の研究として、ジェンダーや多様な性に関する教育実践モデル及び教員研修体系の検討を現場教員と協働的に実施するために、公開講習会を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙調査に関する費用を低く抑えることができ、また、予定していた関連資料収集の一部を次年度に実施し、さらに一般公開講習会の開催を次年度も継続して実施することにしたため。
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Remarks |
2018年11月23日、一般公開講習会として「第1回 性の多様さを持つ子どもたちへのサポートを学ぶ講習会・函館」を開催。
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