2018 Fiscal Year Research-status Report
「仮想の人の存在」を文章から感じて「個人で対話的に学ぶ」プロセスの認知科学的解明
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17K18620
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 龍太 大正大学, 心理社会学部, 専任講師 (60436269)
藤木 大介 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60403599)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 文章理解 / 共感 / 心理実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度に計画した以下の4研究を進めた。(1)学習において架空の人と対話する尺度の構成については、説明文読解時の自己内対話傾向、対話型学習傾向の質問項目を作成し、ウェブ調査によりデータ収集した。現在、データの分析中である。(2)架空の対話による学習の事例の収集については、13名へのインタビュー調査を行い、著者、登場人物、仮想の子ども、テレビといった対象が得られ、対象がある場合はない場合に比べ発声を伴わない(内言)傾向がみられた。この結果は2019年度に学会発表を行う予定である。(3)作文中において読み手を意識することの効果に関する実験研究については、大学生のゼミ紹介を題材とした実験を実施したが、読み手の意識の効果はみられなかった。(4)テキスト読解時における登場人物の役割についての実験研究については、物語の登場人物の異同がその後の展開の予測に及ぼす影響を検討したが、単純に人物が現れるだけでは予測までできるとは限らないことが明らかになった。 その他、関連研究として、(1)eラーニングにおける教授者あるいは説明文の登場人物への共感をテーマにした研究を複数実施し、国際会議2件、国内学会1件において発表した。(2)国内会議のシンポジウム2件において、共感と学習についての成果をまとめた。(3)独り言と作業パフォーマンスに関する実験研究を実施した。(4)本研究のデータ解析に必須な統計的仮説検定への問題に対応するために、関連情報を調査し、知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌)の解説論文としてまとめた。(5)共同でのアイデア生成について検討し、共同アイデア生成はパフォーマンスが下がる方法であるにもかかわらず、多くの学生が有効だと信じていることを明らかにした。 また、打ち合わせを研究チーム全員で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度の調査から計画した研究を2018年度に計画通り実施することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き2017年度の計画を進める。なお、仮説と異なる結果が得られている実験については、本研究の範囲内で一定の成果を残せるように、実験計画を修正する。
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Causes of Carryover |
物品購入や学会旅費が、当初の想定以上に削減されたため、余剰資金が生じた。余剰資金は、当初想定していなかったウェブ調査の必要性が生じたこと、人件費が想定以上に必要である見込みであることから、ウェブ調査の経費と人件費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)