2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cognitive science research on the "individual interactive learning process" by sensing the "presence of a virtual person" in text comprehension
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17K18620
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20467195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井関 龍太 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (60436269)
藤木 大介 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60403599)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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Keywords | 文章理解 / 共感 / 対話的学び / 深い学び |
Outline of Annual Research Achievements |
現行学習指導要領(研究開始時には次期学習指導要領)において求められる「深い学び」はどのように実現されるのか。本研究は、現実の説明文に「人の存在を感じさせる表現」が多用されていることに着目し、学びの理論に「人間の深い学びは、現実の対話がなくても、個人内の仮想的な対話により実現できる」という前提を持ち込み、検討を行った。2022年度は、主に以下の2点を行った。 第一に、対話型テキストの効果に関して論文化を行った。一般の教材において、教師と学習者のような人々が交流する場面を学習者が模倣するテキスト形式、いわゆる対話型テキストが用いられることがよくある。この研究では、できるだけ自然な会話形式で、発言者を識別しやすくするためにアイコンを用いた対話型テキストを用意し、通常のテキストと理解度等を比較した。その結果、通常のテキストと同等の理解度が得られ、主観的評価に関してはむしろ対話型テキストの有効性が確認できた。 第二に、これまでに開発した10項目からなる「架空の対話による学習傾向尺度」について、再検査信頼性を検討した。この尺度は、基準関連妥当性に関連して対話型学習の好みとの相関、「空想傾向尺度」との相関が示されている。また、内的一貫性は十分である。一方で、内的一貫性の意味では信頼性は得られていたが、再検査信頼性は検証されていなかった。そこで、同一の質問紙に2回の回答を求める調査を行い、相関係数はr=.68であった。やや低いが、一定の再検査信頼性が確認できた。サンプリングの都合でサンプルサイズが小さいので、今後の継続的検討が必要である。なお、本来はサンプルサイズの確定後に分析するべきであるが、参加者募集の都合上この段階で分析を行わなければならないため、分析を行った。 その他、関連研究を行った。
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Research Products
(7 results)