2017 Fiscal Year Research-status Report
論述試験の知見を基盤とした適応型面接試験の開発による全人的教育測定法の探索的研究
Project/Area Number |
17K18627
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大澤 公一 京都大学, 高大接続・入試センター, 特定准教授 (20555320)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | 教育心理学 / テスト理論 / 言語教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度における研究実績の概要は以下の通りである。(A) 口述能力を媒介して言語運用能力(4技能)や基礎学力等の測定を行うための課題の開発については,先行研究(大澤,2010~2012)に基づいて,言語運用能力に関する課題の内容的な深化および発展を試みた。次に,(B) 能力(基礎学力)を総合的に尺度化するための評価基準の開発については,平成29年度においては2020年度大学入試改革の流れに準拠するよう,Common Europian Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assesment (CEFR; Council of Europe, 2001)を対象基準として取り上げることとし,開発の歴史や背景,具体的な尺度の内容などを和文献・欧文献を通じて整理した。その一方で,日本の大学入学者(入試直後の段階)の英語能力におけるCEFR global scaleの自己評価水準に関するアンケート調査を行った。さらに,先行研究(大澤,2013~2016)に基づき,分析的評価尺度および総合評価尺度に関する再整理および精査を行った。(C) 口述回答用の性格・適性検査の開発については,先行研究(大澤,2007~2016)に基づき,論述評価項目から口述評価項目への内容的な援用・応用可能性について再調査を行った。(D) 海外の高等教育機関における入学試験(面接試験)の詳細な構造分析については,研究代表者と面識のある研究者が在籍している英語圏の複数の大学を対象として,収集できる範囲での文献調査を行い,主に大学入学試験の制度的・内容的な側面からの理解を深めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度においては4つの研究課題(A)~(D)が設定されており,全体として見れば概ね順調に進展していると考えている。しかしながら,研究課題(D) 海外の高等教育機関における入学試験(面接試験)の詳細な構造分析については,英国の大学入試に関する詳細な聞き取り調査を予定していたものの,研究代表者の本務校における突発的な業務都合により出張を直前キャンセルせざるを得ない状況となった。そのため,当該調査に関しては,平成30年度における研究計画に組み込むこととする。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究課題(A)~(D)を研究計画に沿って実施していくと共に,新たに(E) 面接試験(対話型試験)を行うためのwebプラットフォームの開発および(F) 先行研究と紐付けするためのモニター試験・質問紙調査の構成に着手する予定である。
|
Causes of Carryover |
(1) 平成29年度における研究計画の内容に関しては,購入予定であった業務用ワークステーションに代替するPCにおいて研究計画の実行が可能であったため,無理をして実機を購入する必要性が乏しくなった。そのため,最終的な高負荷数値計算機の利用計画を鑑みて,性能や価格等を吟味した上で,次年度以降の適切なタイミングで業務用ワークステーションを購入することが有益であると判断された。 (2) 平成29年度に実施予定であった英国出張が急遽キャンセルせざるを得なくなったため,その分の旅費の執行ができなかった。来年度の研究計画において当該出張を改めて計画する予定である。
|