Development and deployment of space education programs utilizing the 3D-VR technology

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K18634
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 伊藤 真之 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40213087)
• Project Period (FY): 2017-06-30 – 2022-03-31
• Keywords: 宇宙教育 / VR / バーチャルリアリティ / 仮想現実 / 教育プログラム開発 / 理科

Outline of Annual Research Achievements

宇宙に関する教育（宇宙教育）は、宇宙開発利用を担う人材育成や、科学・技術に関する教育の充実の手段として重要である。本研究は、急速に発展・普及が進むバーチャルリアリティ（VR）技術を利用した宇宙教育プログラムの開発と効果検証を通じて、中等教育における宇宙教育の展開に資することを目的としている。ソフトウェアとしては、国立天文台４次元デジタル宇宙プロジェクトで開発されたMitaka for VRを利用する。本研究に先立って理科教員を対象として実施したアンケート調査から、中学校教員においては、宇宙に関する授業を行う上での課題として、空間的思考力の不足、および観測が難しいことを挙げる回答が最も多くみられた。VRの利用は、これらの課題を解決する手段となることが期待される。
2020年度は、銀河系に関するプログラムを設計し、技術的な課題を含めて検証する小規模な予備的試行実験を、大学生を被験者として行った。プログラムでは、銀河系の大きさ、構造などについて仮想的な観察を通じて理解するとともに、生徒間および生徒と教員の間の対話的活動を喚起することを重視した。なお、中学生を対象とした評価実験については、感染症拡大の影響により実施を延期した。また、成果の社会還元を目的とした普及活動の展開も計画していたが、本年度の実施は見合わせた。
次年度に、本格的な評価実験を実施して教育効果の評価を行うとともに、これまでの成果を踏まえて、中等教育段階での宇宙教育におけるVRを利用したプログラムについてまとめ、情報発信、普及の取組を展開することを計画している。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2020年度、新型コロナウィルス感染症の影響により、予定していた中学生等を対象とする教育プログラムの評価実験の実施を見合わせたため、計画に遅れが生じている。また、その結果、成果の発表、社会への展開にも遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

2020年度に実施できなかった計画を2021年度に繰り越し、新型コロナウィルス感染症の拡大／収束状況を考慮しながら、評価実験に協力いただく学校・教員等と密接な連携のもと、感染症対策を講じつつ実験の実施を図る。状況によっては、実験実施方法・規模などを見直す。

Causes of Carryover

2020年度、新型コロナウィルス感染症の影響により、計画していた中学校等での評価実験および成果普及の取組の実施を見合わせ、次年度に実施することとした。また、これに伴い、成果発表も次年度に延期した。
2021年度に、評価実験に関連した消耗品等の購入、物品の輸送、データ整理補助者への謝金、研究打ち合わせのための交通費、また成果発表および成果普及活動のための旅費等に使用を計画している。