2017 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Research on Early Childhood Education and Care (ECCE) Finance in Developing Countries: From Perspectives of Private Financing and Equity
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17K18635
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 啓一 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (90379496)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 幼児教育 / 教育財政 / SDGs |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、ベトナム、ラオス、カンボジアにおける幼児教育の行財政に関する先行研究や政策関連文書、報告書等のレビューを行い、事例各国の幼児教育・保育に対する私的財政支出に関して既知の事柄を明らかにした。この中では、多くの場合複数の官庁が管轄する複雑な各国の幼児教育・保育制度の中で、各国政府が有する民間施設を管理・統括する制度、民間施設を運営する民間企業や非政府組織、宗教団体等の様々なアクターの働きの全体像を明らかにした。また、家計調査データ(ベトナム、カンボジア)や政府の関係省庁が公表している幼児教育・保育の施設数・在籍者数等に関する2次データを用い、事例各国の幼児教育・保育施設へのアクセスの現状、私的財政支出の現状やそのアクセスへの影響に関する定量的分析を実施した。ベトナム、ラオス、カンボジアで現地調査を実施し、幼児教育・保育を提供する民間施設や、子供を施設に送っている親・保護者を対象としたインタビュー調査等から得られた定量的・定性的1次データの分析を行った。
また、先行研究や政策関連文書、報告書等のレビューで明らかになった多様なアクターが運営する施設が調査対象となるよう標本抽出を行った。家計調査データや政府の関係省庁が公表している幼児教育・保育の施設数・在籍者数等に関する2次データを用いて行った分析結果を活用し、幼児教育・保育へのアクセスが確保できていない地域や、民族・宗教等によって周縁化されたグループに属する子供が通う施設、その親・保護者が調査対象となるよう標本抽出を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に沿って予定通りに本研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の研究成果を2018年6月にネパールの首都カトマンドゥで開催されるアジア太平洋地域幼児教育会議・教育大臣等のハイレベル会合にて発表して、研究成果をもとにした政策提言を行う。
2018年度は、ベトナムとモンゴルで現地調査を実施する。インタビュー調査結果、調査票調査結果のとりまとめを中心に、現地調査において収集した1次データの定量的・定性的分析を行う。また、新たな理論枠組み、評価指標の開発し、研究成果のとりまとめ、発表(9~3月)国際比較教育学会等の国際学会、国際開発学会等の国内の学会、ユネスコ・バンコク等の国際援助機関が主催する国際シンポジアムで研究発表を行う。また各事例国で可能な限りワークショップを実施し、関係省庁の行政官や主要なステークホルダー、援助機関の専門家からのフィードバックを受ける。その上で最終報告書を作成・刊行し、さらに研究成果をまとめた学術論文を執筆し、査読付き国際学術雑誌へ投稿する。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金を使わなかったので次年度使用額が生じた。次年度に人件費・謝金として使用予定。
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