2017 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるセクシュアルマイノリティ学生への包括的支援モデル構築の検討
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17K18640
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 めぐみ 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (60400652)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | セクシュアルマイノリティ / 大学生 / トランスジェンダー / 性的指向 / キャリア支援 / 間接的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大学におけるセクシュアルマイノリティ学生への効果的な支援体制構築のため,大学,当事者,支援者,啓発活動等の間接的支援についてそれぞれ現状とニーズを把握し,包括的な支援の在り方について検討を行うものである。セクシュアルマイノリティ学生への支援は,これまで主にトランスジェンダー学生への支援が中心で,それ以外の性的指向等のマイノリティ学生への支援の必要性や実施状況の研究はほとんど見られなかった。そこで今年度は,日本の全大学を対象に「調査1:大学における支援体制と支援内容の把握」の郵送調査を実施するため,これまでの相談・支援例や大学の支援部署が発行しているパンフレット等を参考に,支援に関する質問紙を作成し,実施の準備を進めた。 また研究4で予定していた,啓発活動等の間接的支援について,実際に大学で講演会・展示等の啓発活動を実施する機会があったため,その効果を測る調査を参加学生に実施した。その結果,啓発活動の参加後は同性愛者に対する嫌悪感の程度が有意に減少し,セクシュアルマイノリティ当事者である講演会講師と同じ属性への抵抗感が有意に減少していた他,参加者の半数が日本におけるセクシュアルマイノリティの割合(%の数字)を1週間後も正しく覚えていたことが明らかとなり,間接的支援の効果を探ることができた。 次年度は調査1の実施と結果の分析を行うとともに,当事者学生への調査と支援者への調査を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に実施予定であった調査1「大学における支援体制と支援内容の把握」が,新組織の研究倫理審査委員会の設立の都合で実施が遅れていたが,次年度の4月に調査を実施することができたため。その間,先にH31年度実施予定の研究の一部を実施する機会があったので実行した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究計画通り,当事者と支援者の双方を対象とした,調査2「セクシュアルマイノリティ学生の支援ニーズの把握」と調査3「支援体制の構成メンバーによるセクシュアルマイノリティ学生支援の把握」の2つの調査の実施を行う。また調査1で得られた結果の分析し,成果発表の準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
所属機関の研究倫理審査委員会設立の都合により,調査1の郵送調査が本年度中に実施できなかったためだが,翌年度の4月に実施し,5月中には調査終了予定で,次年度使用額はその調査実施に使用する。
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