2019 Fiscal Year Annual Research Report
Organizing a curriculum for school PE accidents and making textbooks for self-study to be used in teaching practice exercises
Project/Area Number |
17K18667
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
山口 裕貴 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (50465811)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 学校体育事故 / 裁判例 / 注意義務 / 安全配慮義務 / 教師の行動指針 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の端緒は、学校体育事故論を教職実践演習において充実化し、将来教員になる者に対する学校安全の指導を徹底したいと考えたことにあった。具体的には、過失(相殺)論、安全配慮義務・方法論、損害賠償論等を充実させるために必要と考えられる独自のカリキュラム内容を編成し、受講生の自習に適したテキストノートの作成を行うことを目的としていた。 その成果として2020年1月に拙著『学校体育事故への備え-裁判所は何をどう見るのか-』という学校体育事故判例集を共同文化社より刊行した(総ページ数584)。本書は、学校体育事故に係る判例学習、換言すれば小、中、高における体育授業中の事故に係る裁判例、つまり判決文をじっくり読み込むことができるように編集したものである。「読み込み」をとおして、授業担当者である教員が法的意味においてその時とるべきであった行動の態様について考える。 本書の特徴は、①裁判例は過去の例の積み重ねによって成り立っていくものであるから、裁判例の選出は年代順に新しい確定判決があればそれを優先した。②授業における事故であるから、学習指導要領上の運動領域によって区分した。③学習過程に不要と思われる箇所の省略、構成の部分的変更、文言の部分的修正を施した。ただし、大半は判決文作成者たる裁判官(及び書面作成者たる訴訟代理人弁護士)の個性を尊重し原文のままとした。④重要と考えられる箇所は下線で示した。 原告の主張、被告の反論、証拠調べを終えた裁判所がいかなる理由をもって各主張の適否を決したかのそれぞれにつき、当該事例の具体的場面を想定しつつ、どちらの主張が的を射ているのか、裁判所はその判断においてどの点を特に重視したのかなど、各自で深く検討するほか、複数人での議論も行えるようメモ欄を適宜設けた。 本書は、教員志望の学生、現職の先生方が万全の体制で指導するための行動指針を構築する一助になるものである。
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Research Products
(4 results)