2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K18670
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小河原 慶太 東海大学, 体育学部, 教授 (90407990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 洋 東海大学, 体育学部, 教授 (30372949)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | マット運動 / 前方倒立回転跳び / 直接補助法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はスポーツバイオメカニクスの手法を用いて器械運動の安全で効果的な補助技法の開発と検証を行い、学習者の安全確保と新しい指導法を創造するとともに器械運動を教えることが上手な指導者の養成と安全で楽しい器械運動の普及を目指すことが 目的である。器械運動の指導方法の一つに「直接的補助法」がある。この補助技法は一部の体操競技経験者が有する経験的かつ専門的な技術であり、これまで科学的知見はほとんどない。本研究ではスポーツバイオメカニクス分野で用いられる3次元モーションキャプチャシステムを使用した映像解析・動作分析と器械運動及び体操競技の指導を専門とする研究代表者と同じくスポーツバイオメカニクスを専門とし各種スポーツ運動の動作分析および筋電図計測を得意とする研究分担者1名の計2名からなる研究体制で実施する。「直接的補助法」についてスポーツバイオメカニクスの手法を用いて実験的に動経過の“どのタイミング”で、身体の“どこを”、“どのように”補助するかという技術について解明する。 本研究は3カ年計画であり、次のように課題を設定し研究を推進する。 1年目:マット運動についての基本的な技の補助技法の分析 2年目:鉄棒運動、跳び箱運動についての基本的な技の補助技法の分析 3年目:補助技法を使用した指導法の効果を検証が主な内容である。実験環境については既に整っており、3次元光学式モーションキャプチャシステムや各種計 測装置は既存の物を使用するが、初年度については計測精度や実験方法を検討するための予備実験を行い実験を進めていく。 初年度となる平成29年度は、器械運動のマット運動についての基本的な技の補助技法について予備実験を行なった。分析対象は「前方倒立回転とび」とした。その補助において熟練した補助者と補助技法をマスターしていない 補助者の相違についてバイオメカニクス的手法を用いて検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3カ年計画であり、 1年目の今年度はマット運動についての基本的な技の補助技法の分析を行った。 実験環境については既に整っており、3次元光学式モーションキャプチャシステムや各種計 測装置は既存の物を使用するが、初年度については計測精度や実験方法を検討するための予備実験を行い、次の実験を進めた。 初年度となる平成29年度は、器械運動の運動種目の内「マット運動」についての基本的な技の補助技法について予備実験を行なった。具体的な分析対象は補助が有効な指導方法であると思われる巧技的な技である「前方倒立回転とび」とした。予備実験では補助の際の「押す力」を計測装置を自作しその精度と妥当性を検証し、実際の補助力を測定した。その補助において熟練した補助者と補助技法をマスターしていない補助者の相違についてバイオメカニクス的手法を用いて検討した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は3カ年計画であり、2年目である30年度はマット運動の「前方倒立回転とび」の補助法に関する研究について行った予備実験の結果を基に本実験を計画・実施し、継続して研究を行う予定である。その成果は8月末に開催される日本体育学会第69回大会において発表し、今年度中にさらに研究を継続し学術誌等に投稿する予定である。 さらに 30年度では器械運動の運動種目の内、「鉄棒運動」、「跳び箱運動」を取り上げる。鉄棒運動では、「逆上がり」、「け上がり」の他、「後方支持回転」、「前方支持回転」など の補助技法について分析する予定である。跳び箱運動では切り返し技である「台上前転」、「開脚跳び」及 び「前方倒立回転跳び」の補助技法について分析したい。最終的には得られたデータはマット運動と同様に分析したデータを視覚化して、映像データとともに指導者・学習者に呈示するためのデータベ ースを構築し、蓄積してきたデータや知見を教員養成系の器械運動の実技授業で活用する段階まで進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
予備実験にとどまり、結果として分析に関わる人件費や謝金の支出がなかったことが原因である。30年度は本実験を計画していることから分析に関わる人件費や被験者などに対する謝金についても継続して使用する計画である。
|