2018 Fiscal Year Annual Research Report
Toward a new theory of 'languaging' in college education guided by translanguaging theory
Project/Area Number |
17K18672
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小川 正賢 東京理科大学, 科学教育研究科, 教授 (80143139)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 大学理系教育 / 教授学習言語 / 大学教授法 / ランゲージング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 昨年度の研究成果を国際会議(ICMME18)で発表し,マルチリンガル教育や社会言語学等で用いられている多様な理論装置の中で,日本の大学理系教育での教授学習言語様式を読み解く理論的枠組として適用可能なものに関して専門家と意見交換を行った.その結果,日本の実態を明確に説明できる単一の理論装置はなさそうだが「言語(ランゲージ)」ではなく「言語実践(ランゲージング)」に焦点化することが実態解読の手がかりとなるのではないかという仮説にたどり着いた. (2) 現代の大学理系教育の教授学習言語様式の実態を知るために,理系大学教員を対象としたWebアンケートを実施した.調査目的は,大学教員が学生時代に受講した学部専門講義と彼らが現在行っている学部専門講義で,教授学習言語様式にどのような違いがあるかを対比的に把握することと,専門領域によって教授学習言語様式に差異があるかどうかを明らかにすることであった.その結果,学生時代に受講した講義と現在自分自身が行っている講義の間で教授学習言語様式に大きな違いはみられなかったが,専門分野によっていくつかの特徴や違いはみられた. (3) 昨年度の台湾での調査に続いて,本年度はデンマークの大学で教授学習言語様式に関するインタビュー調査を実施した.教授言語としての母語と英語との関係性は,日本や台湾と比較的類似性が高いが,教員が多民族・多国籍であること,海外からの留学生が多いという点で,日本や台湾ほどクリアな言語の使い分けがなされにくい状況であることがわかった. (4) 昨年度・本年度の研究成果をとりまとめてモノグラフとして執筆し,広島大学高等教育研究開発センターが毎年刊行しているモノグラフ・シリーズ「高等教育研究叢書」の1冊として『理系学部講義の教授学習言語様式のリアリティ』のタイトルで2019年3月末に刊行した.
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Research Products
(2 results)