2017 Fiscal Year Research-status Report
ブータンにおける「GNH教育」の実態解明及びその応用モデルの開発
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17K18674
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平山 雄大 早稲田大学, 平山郁夫記念ボランティアセンター, 講師 (80710649)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 教育学 / 学校教育 / 教育内容 / GNH教育 / ブータン |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は第一に、ブータンにおけるGNH(Gross National Happiness)概念及び学校教育で展開されている「GNH教育」(Educating for GNH)をどう解釈すべきか、歴史的変遷を詳察し再検討を行った。具体的には、①GNHの誕生・広がり:1970年代~(第4代国王ジグメ・シンゲ・ワンチュクが対外的に発信した日時・場所及びその状況の特定、国際的認知及びブータン国内における認知の流れの検証等)、②開発政策への適用:1990年代~(5ヵ年計画、国会議事録、新聞記事等の分析)、③指標化及び解釈の拡大化:2000年代~(GNH指標及びGNH調査結果の分析等)に関して資料・文献調査を実施した。「国民総幸福」と訳されるGNHは、第4代国王が提唱した国民の幸福を重視した開発理念/哲学であるが、指標化の動き等も相俟って近年は国内外において解釈の拡大化現象が起きている。経済学や社会学の分野を中心にGNHを取り扱った研究は一定数存在するものの、歴史的事実や先行研究の検討を十分に行ったものが決して多いとは言えない中で、上記調査は本研究を遂行するうえでの基盤として重要な作業であったと考えられる。 第二に、教育省が発行した教員用指導書『Refining Our School Education Practices: A Guide to Advancing GNH』、『Educating for GNH: A Training Manual』等の翻訳・分析を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「研究目的及び研究計画」に記した研究計画・方法に関して、1年目(2017年度)に実施予定であった資料・文献調査はおおむね完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2年目(2018年度)はGNH教育の実態解明に向けて、参与観察等を実施していく。
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Causes of Carryover |
委託予定であった翻訳作業を自身で実施したため、人件費を必要としなかった。また2017年度中には現地調査を実施しなかったため、次年度使用額が発生した。翌年度分として請求した助成金と合わせ、ブータンにて調査を行う予定である。
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