2017 Fiscal Year Research-status Report
ネットいじめの国際比較―世界共通質問紙作成の挑戦―
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17K18677
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
原 清治 佛教大学, 教育学部, 教授 (20278469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 善満 龍谷大学, 文学部, 教授 (40243365)
山内 乾史 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (20240070)
大多和 直樹 帝京大学, 文学部, 准教授 (60302600)
小針 誠 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (90388067)
小林 至道 青山学院大学, アカデミックライティングセンター, 助手 (60784692)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 教育社会学 / ネットいじめ |
Outline of Annual Research Achievements |
いじめに関する国際比較研究は僅少である。本年度の研究は以下の流れのように行った。 本研究グループが科学研究費(B)15H03491において実施した京滋の高校生66,399人を対象としたネットいじめに関する大規模アンケート調査の結果を主に英国・韓国の研究者および教育関係者と打ち合わせを行い、その違いについてディスカッションを行った。 英国における大規模ないじめデータは存在しておらず、依然として研究や及び教員の主観によって状況を把握しているということであった。ただ、ネットいじめのあり方は日英であまり大きな差はなく、とりわけ「直接から間接にいじめる」「いじめの背景には排除の論理が働く」点において共通していることが明らかとなった。また、英国のいじめに対する教育として教育委員会が主導してデータを取り始めていること、幼児にも理解できるような絵本等でbullyingに対応し、学校と保護者の協働によって問題を解決しようとする姿があることが明らかとなった。 また、韓国では日本よりも社会からネットいじめが注目されており、とりわけネットいじめの低年齢化が指摘されている。小学校で身近な友人の悪口をSNSで書き込むといった事例が散見され、ネットいじめを含めたいじめに対する指導が教育委員会を中心に実施されていることが明らかとなった。東アジア圏でもICTの先進国でもある韓国においてネットの悪影響が小さい子どもにみられることは、我が国との大きな違いといえるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英国および東アジアについてはネットいじめに関するディスカッションを順調に行い、日本との違いについて取りまとめることができている。オセアニアおよび北米圏については、先方との都合を考慮し、次年度に訪問する予定である。 これまでの知見では、他国との大きな違いがあまり見られない一方で、国ごとで若者が利用するSNSについてはかなりのばらつきがみられるため、質問紙にあるSNSの利用状況については国ごとに名称を変える必要があることなど、国際質問紙に必要な知見を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問予定である北米圏とオセアニア圏でのネットいじめの状況を確認しつつ、英国および東アジア圏での調査の了承を得る予定である。また、他国の状況をかんがみた質問紙を作成する。そのうえで、本研究の内容を取りまとめた報告書を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は4ヶ国に渡航する予定であったが、現地研究者の都合と分担研究者の公務の都合により次年度に渡航予定の国が繰り越された。今年度は研究最終年度であるため、研究報告書の作成と同時並行で2ヶ国に渡航する予定である。
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Research Products
(4 results)