2017 Fiscal Year Research-status Report
Eidetic memory in children: A developmental cognitive neuroscience study
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17K18700
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森口 佑介 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (80546581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 泰 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10467087)
名畑 理津子 北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (70800423)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 直観像 / 子ども / 発達認知神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、発達初期の子どもの直観像に焦点をあて、直観像を持つもの(以下、直観像素質者)がどの程度の割合おり、その割合が年齢とともにどのように変化するのか、そして、直観像の発達機序およびその生物学的基盤はいかなるものかについて、発達認知神経科学の視点から検証することを目的とした。具体的には、本年は、直観像の新しい評価方法を開発することを目的とした。 この目的を達成するために、まず、直観像の伝統的な評価方法であるイーゼルテストを用いた場合に、どの程度直観像素質者がいるかを検討した。具体的には、3歳から9歳の子どもを対象として、イーゼルテストを実施した。まず、成人を対象とした研究に基づき、参加者に提示した刺激の色の残像を経験させた。これは、直観像と残像が主観的な経験としては類似しているためである。その結果、残像を経験できたと報告する子どもは、半数以下であった。その後、残像を経験した子どもを対象にイーゼルテストを実施した。その結果、直観像を保持していると見積もられる子どもの数は、各年齢の子どもの10%にも満たなかった。 次に、予備的に、直観像を経験する子どもを対象に、非言語的なテストを実施した。具体的には、主観的に直観像を経験したかどうかを尋ねるのではなく、オブジェクトを提示し、どの位置にあったかを判断させるという方法を試した。予備的ではあるが、こちらの方法が有効である可能性が示唆された。 また、認知神経科学的検討については、成人の直観像素質者及び非素質者に対してMRI計測を実施し、現在直観像の脳内機構を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
直観像素質者を見つけるの時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、子どもを対象にした研究を進展させる必要がある。具体的には、非言語的な手法を用いた直観像の評価方法の開発が急務である。研究1年目の予備的な検討から、オブジェクトを提示し、どの位置にあったかを判断させるという方法が有効である可能性が示唆されたので、こちらの方法を用いた検討を進展させる。
また、認知神経科学的な検討の進展も2年目の大きな目的の一つである。研究1年目には、成人を対象にしたMRI画像の取得を実施しており、現在結果を解析中である。この解析の結果として直観像素質者の神経機構が明らかになれば、この成果に基づき2年目は子どもを対象とした研究を実施したいと考えている。具体的には、子どもではMRI画像の取得は容易ではないため、代表者らがこれまでも用いてきた近赤外分光法を用いて、直観像を経験時における脳活動を取得する。
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Causes of Carryover |
予定より全体的に計画が後ろ倒しになったため。
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