2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K18701
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
鶴田 早織 (塚本早織) 愛知学院大学, 心理学部, 講師 (80794073)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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Keywords | 文化 / 規範 / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ある文化や社会で共有されている規範がどのようなメカニズムを経て人の行動選択の指標となり、影響力を持つようになるのかについて明らかにするものである。学習理論を援用し、報酬や罰といったフィードバックが人の行動選択に与える影響の解明を目指している。 これまでの研究から、異文化適応態度における柔軟性の個人差が、新規な文化を学習する際の正答率に影響するという示唆を得ている。異文化適応に柔軟な思考を持つ個人ほど、新規な規範に触れた際に正しい行動と誤った行動を区別する能力が高く、効率のよい学習が成立することが示されている。このように規範学習に影響を与える個人差についての示唆は得られたが、他者からのフィードバックに対する生理的な反応やフィードバックの種類については精緻な解明を行うに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R3年度は、育児休業により研究を中断していたため、実験室実験などの実務を伴う研究の実施が困難であり、文化規範についてのデータや資料の整理や収集を行うにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
学部を異動したことに伴い、実験室の設備等に変更が生じた。本年度は延長後の最終年度ではあるが、使用や管理を行うことが可能な設備の選択肢が広がったため、質問紙にとどまらないデータ収集を目指す。規範学習時の人の反応について、脳波や血圧といった生理的な指標の測定を行う。報酬や罰といったフィードバックが規範学習に与える影響を明らかにするという当初の研究目的の達成を目指したい。
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Causes of Carryover |
昨年度は出産育児で休業していたため、研究費の計画的な使用が困難であった。また、コロナ禍で実験室での実験を実施することを自粛した。R4年度以降は、新学部に異動したことに伴い、新しい設備の使用が可能になった。今後は、生理反応を含む潜在的な指標を測定するために必要な実験材料の準備を行う。具体的には、実験器具の購入および分析マニュアルの購入に費用を使用する。
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Research Products
(1 results)