2019 Fiscal Year Research-status Report
a constrained laugh in social context
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17K18707
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 真理 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70274412)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 作り笑い / 自閉スペクトラム症 / 社会的文脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:笑いは対人関係を潤滑にする。「作り笑い」現象は、社会的関係を円滑に維持するために日常的に多用されている社会的技能の一つである。本研究では、定型発達者とASD者のプロセス・ストラテジーの違いや,ASD者の社会性の発達という視点からも,眼球運動に注目し、①「作り笑い」に関してどのように認識しているのか、②社会的スキルの高さと「作り笑い」判別の正確さには関連があるのか,③「作り笑い」か否かの判別は、どのような理由 方法:1.調査協力者:知的障害のないASD青年10名(男:8女:2,CA:21.3±4.76),定型発達の青年(以下、TD)16名(男:9女:7,CA:22.4±1.71)。 2.調査内容:①作り笑いの定義。②Kiss-18②作り笑い画像判別課題:「自然な笑い」「作り笑い」画像計56枚についてどちらの笑いかの判別。③アイトラッカー(Tobii Pro X3-120)による視線分析。 結果:1.「作り笑い」に関する意識:無理やり表出、場の雰囲気に応じて表出、相手を気遣う、自分をポジティブな印象に与えるの4分類が、両群に共通していた。2.「作り笑い」画像判別:正答数において、TD群がASD群よりも有意に得点が高かった。判別理由(命題的理解)として、TD群では、口のみや目のみなど一部分のみの言及が16名中2名であったのに対して、目・口・頬などの複数部分のバランスの悪さなどへの言及が14名であった。一方、ASD群では一部分のみの言及は4名であった。 3.社会的スキル得点と「作り笑い」画像判別得点について、TDでは有意な正の相関が認められた。一方で,ASDでは,相関はみられなかった。3.作り笑い」判別時の視線分析(直観的理解):各AOIの視線停留時間・注視回数において,「作り笑い」課題の左目における視線停留時間のみ有意な差が認められ、TD群の方がASD群より長かった。以下、分析中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者(特にASD)のリクルートに時間がかかり、計画が全体的に遅れてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者をひろく募集するため、障害児の親の会や特別支援学級関係のルートを用いたリクルートをすすめる。
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Causes of Carryover |
研究協力者(特にASD)のリクルートに時間がかかり、計画が全体的に遅れてしまったため。
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