2019 Fiscal Year Research-status Report
乳児期前半の浅い眠りが脳を育てる:よく眠る赤ちゃんは必ずしも理想的ではないのか?
Project/Area Number |
17K18710
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 敦子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90188889)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 乳児 / 睡眠 / 気質 / アクチグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児の睡眠と感覚運動機能の発達については、月齢10か月時の就寝時刻と月齢24か月までの神経発達の関連を検討した結果, 遅く寝る子どもほど粗大運動や微細運動が発達しにくいという報告(奥村・高貝, 2016)がある一方, 乳児期に夜間の睡眠時間が長いことや, 断続的な睡眠が必ずしも発達に良い影響を及ぼすとは限らないという報告 (e.g.,中川・鋤柄, 2016) があり, さらなる検討が必要と考えられる。そこで本研究では、睡眠・覚醒リズムの形成段階にある月齢3か月から6か月にかけて, 睡眠と感覚運動機能の関連を縦断的に検討した。睡眠は加速度センサー(アクチグラフ)を各月齢の最初の5日間、児の足首に装着して調べ, 感覚運動機能は,月齢6か月時点で確認できる9項目(寝返りの頻度とそのパターン, リーチングの頻度など)について質問紙を用いた。 30名の乳児について相関分析を行った結果、月齢3か月では, 睡眠効率(昼間期)と哺乳時の吸い付きの程度に正の相関 (r=.428, p<.05) が認められた。月齢4か月では, 動睡眠時間 (昼間期),睡眠時間 (昼間期) と視性立ち直り反射 (右) に正の相関 (r=.401, p<.05 ; r=.369, p<.05), 最長覚醒時間 (昼間期) と視性立ち直り反射 (左・右) にそれぞれ負の相関 (r=-.594, p<.01 ; r=-.487, p<.01) が認められた。月齢6か月では, 睡眠効率 (昼間期) と寝返りのパターンに負の相関 (r=-.429, p<.05), 睡眠効率(夜間期)と寝返りの頻度に正の相関 (r=.550, p<.01)が認められた。本結果から、乳児期前半と後半では良好な睡眠が異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
月齢3ヶ月から24か月までの縦断研究であり、初年度の開始が遅れたために、全体が繰り下げになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力は問題なく得られているので、引き続き縦断研究を続けて、結果をまとめていく予定である。ただし、コロナウイルス感染予防のための外出自粛などが幼児の活動量や生活リズムに変化を与え、睡眠パタンに影響することが懸念される。
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Causes of Carryover |
縦断研究の開始が遅れたために、全体が先送りになっており、研究参加者への謝金や実施にかかる費用、研究成果発表のための費用が次年度使用となった。 したがって、今年度の助成金は、研究参加者、研究補助者への謝金、通信料、成果発表のための出張費や英文校閲費、投稿料等に使用予定である。
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Research Products
(2 results)