2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K18731
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中井 英一 茨城大学, 理学部, 教授 (60259900)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉坪 茂彦 弘前大学, 理工学研究科, 研究員 (50003512)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | フーリエ級数 / 調和解析学 / 解析的整数論 |
Outline of Annual Research Achievements |
多変数フーリエ級数の収束問題について、研究代表者と倉坪茂彦、大坪和弥が、原点中心の球の定義関数のフーリエ級数に対して用いた方法、すなわち、フーリエ級数を Gibbs (Gibbs-Wilbraham) 現象、Pinsky 現象、倉坪現象の3つに分解する方法を用いて、研究を進めた。特に4次元での倉坪現象について、球の定義関数ではなく、Taylarが用いた2次元波動方程式の基本解を高次元に一般化した関数を用いて考察し、得られた結果がほぼ整理できたので、数値計算による実験結果とともにまとめるべく論文を執筆中である。 さらに、より一般の次元についても、Gibbs (Gibbs-Wilbraham) 現象、Pinsky 現象、倉坪現象の3つに分解する方法を用いることにより、収束発散についてかなり詳細な結果が得られてきた。具体的には、「Hardy の等式」を拡張した「或る等式」を出発点とし、等式をつないで丁寧に式変形を積み重ねることにより、フーリエ級数とフーリエ積分の誤差を分解して、格子点問題に結びつけるという手法を用いるものであり、これにより、考察する関数の連続性や発散状況と、そのフーリエ級数の球形部分和が呈する Gibbs (Gibbs-Wilbraham) 現象、Pinsky 現象、倉坪現象との関連性、収束や一様収束との関連性等ついて、次元との関係も含めて具体的にわかってきた。また、倉坪現象と格子点問題との関係についても、Gaussの円問題との関連も含めて部分的に明らかになってきた。これは関数の変数の次元が2次元、3次元の低次元の場合も含んでいる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4次元での倉坪現象について、球の定義関数ではなく、Taylarが用いた2次元波動方程式の基本解を高次元に一般化した関数を用いて考察し、得られた結果がほぼ整理できた。 より一般の次元についても、考察する関数の連続性や発散状況と、そのフーリエ級数の球形部分和が呈する Gibbs (Gibbs-Wilbraham) 現象、Pinsky 現象、倉坪現象との関連性、収束や一様収束との関連性等ついて、次元との関係も含めて具体的にわかってきた。また、2次元、3次元の低次元の場合も含めて、倉坪現象と格子点問題との関係についても、Gaussの円問題との関連も含めて部分的に明らかになってきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
多変数フーリエ級数の収束問題について、初年度には、2次元波動方程式の基本解を高次元に一般化した関数を用いて考察し、Gibbs (Gibbs-Wilbraham) 現象、Pinsky 現象、倉坪現象の3つに分解する方法を用いることにより、収束発散についてかなり詳細な結果が得られてきたため、2年目はこれを検証し、数値実験の結果も含めて論文としてまとめる。また、Gaussの円問題について、解析的整数論からの知見だけでなく、これまでもコンピュータを用いた実験を行ってきたが、数値解析学の専門家の協力を得て、さらに詳細な実験を行う。これらにより、多変数フーリエ級数の収束問題との関係を調査する。
|
Causes of Carryover |
次年度に数値解析学の専門家とコンピュータによる数値実験を計画し、大型コンピュータを利用することにしたため。
|
Research Products
(3 results)