2018 Fiscal Year Annual Research Report
Search for topological phase transition induced by broken inversion symmetry
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17K18753
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笠原 裕一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10511941)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 人工超格子 / 非従来型超伝導 / 空間反転対称性の破れ |
Outline of Annual Research Achievements |
空間反転対称性の破れの人工導入によるトポロジカル相の連続制御やエキゾチック超伝導状態の創成を目的とし、重い電子系物質を用いた人工超格子を作製した。具体的には、CeCoIn5と反強磁性体(CeRhIn5またはCeIn3)を交互積層した人工超格子である。これらの人工超格子では、界面を通じて反強磁性体層の反強磁性ゆらぎが隣接する超伝導層に注入され、超伝導と反強磁性の相互作用を調べることが可能であることを示した。準二次元反強磁性体CeRhIn5を用いたCeCoIn5/CeRhIn5超格子では、圧力を印加しCeRhIn5層の反強磁性転移が消失する量子臨界点近傍に近づけると、超伝導層に注入された量子臨界反強磁性ゆらぎにより電子対を形成する電子間引力が大きく増大することが明らかとなった。一方、三次元反強磁性体CeIn3を用いたCeCoIn5/CeIn3超格子では、反強磁性ゆらぎは注入されているものの、電子間引力はほとんど変わらないことが明らかとなった。以上の結果は、二次元的な反強磁性ゆらぎがCeCoIn5における電子対形成に本質的に重要であることを初めて直接的に示すものである。 一方、昨年度立ち上げた分子線エピタキシー装置と走査型トンネル顕微鏡を組み合わせたMBE/STM装置を用い、重い電子系反強磁性たCeRhIn5の電子状態の直接観測を行った。長年、反強磁性状態における重い電子状態形成の有無が問題とされてきたが、重い電子状態が形成されていることを直接的に示し、反強磁性状態においてもf電子がフェルミ面形成に寄与していることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Tuning the Pairing Interaction in a d-Wave Superconductor by Paramagnons Injected through Interfaces2018
Author(s)
M. Naritsuka, P. F. S. Rosa, Yongkang Luo, Y. Kasahara, Y. Tokiwa, T. Ishii, S. Miyake, T. Terashima, T. Shibauchi, F. Ronning, J. D. Thompson, and Y. Matsuda
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 120
Pages: 187002/1~6
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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