2017 Fiscal Year Research-status Report
Application of deep learning to the quantum phase transition in random electron systems
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17K18763
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大槻 東巳 上智大学, 理工学部, 教授 (50201976)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 深層学習 / 量子相転移 / 畳み込みニューラルネットワーク / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究ではニューラルネットワークを用いた機械学習(人工知能)を使って,物質の性質を明らかにする。特に多層の畳み込みニューラルネットワークを使った画像認識により,量子相転移を調べる。この科研費の申請後,申請者は早速この研究に取り掛かり,交付内定前に,このアイデアが2次元のトポロジカル絶縁体と絶縁体の転移,アンダーソン絶縁体と金属の転移に有効であることを示した。また,3次元系に対しても,ある方向について確率密度を積分して,2次元画像に落とし込む方法が機能することを示している(T. Ohtsuki and T. Ohtsuki, Deep learning the quantum phase transitions in random two-dimensional electron systems, Journal of the Physical Society of Japan, 85 (2016) 123706 (Papers of Editor's Choice), Deep learning the quantum phase transitions in random electron systems: Applications to three dimensions, Journal of the Physical Society of Japan, 86 (2017) 044708)。 科研費交付後は,このアイディアをさらに発展させ,3次元の多層の畳み込みニューラルネットワークを使った画像認識により,3次元のアンダーソン転移を研究し,これにより量子相転移の相図が様々な場合に描けることを実証した。また,アンダーソンモデルで訓練したニューラルネットワークは,ガウス型,コーシー型の確率密度を持つランダムポテンシャルの場合のアンダーソンモデルや,量子パーコレーションにおける相図を描くことができることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
この研究のアイディアを,科研費申請直後に実践し,科研費交付前に2次元の量子相転移,および2次元画像処理の3次元系への応用を完成させた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した手法を今後も様々な系に応用していく。また,これまでは固有関数の解析を行ってきたが,今後はダイナミクスの解析もrecurrent neural networkの方法で行いたい。 この研究が有効であることは,すでに発表している3つの論文で実証済みである。一方,なぜこの手法がうまくいくのかは明らかでない。これは畳み込みニューラルネットワークを使った研究に共通した悩みで,この手法は結果はもっともらしいが,なぜかうまくいくかはわからないブラックボックスである。今後はこの方法がうまくいく理由を明らかにして行きたい。
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Causes of Carryover |
建物の改修のため,研究室を一時的に移転することとなった。その為,電流消費を抑えるため新規に計算機を複数買うのではなく,機械学習用のCPU, メモリ,グラフィックボードの増強に力を入れることにした。
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Research Products
(8 results)