2017 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the localized reconnection by using the 3D millimeter imaging diagnostics
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17K18772
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長山 好夫 日本大学, 理工学部, 特任教授 (10126138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 雄一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (70292828)
土屋 隼人 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (90509522)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | マイクロ波イメージング / プラズマ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の当初予定では、球状トカマクTST-2用にマイクロ波イメージング反射計(MIR)計測装置を開発する、ことになっていた。そこで、TPE-RX用のMIR架台と光学系をTST-2用に改造した。観測ポートの床面からの高さはTPE-RXがTST-2より1m近く高いために、架台の脚部を切り、また脚部にあったイメージング検出器の位置を上げた。観測窓の口径はTPE-RXが10cm、TST-2が20cmであるため、照射領域を2倍に広げるために凸レンズを追加した。その結果、照射マイクロ波ビームの直径は17cmと、観測窓の口径に合わせることができた。照射ビームはほぼ平面波であり、プラズマの1点で散乱したマイクロ波は球面波としてイメージング光学系でホーンアンテナ型ミリ波イメージング受信器(HMID)上の1点にフォーカスするが、分解能はプラズマ上で25mmとなった。マイクロ波の発振器や受信機などの電子回路については、LHD用を修理して用いた。特に4逓倍器が全て故障していたため、市販の2逓倍器を組み合わせることで低コスト化を図り、予算内に収めた。同軸ケーブルにはセミフレキケーブルを用いて高周波特性の向上を図った。その結果、テストベンチ上では高レベルの信号を得た。MIR装置は核融合研から東大柏キャンパスに移設し、TST-2実験準備室ではプラズマの代わりに振動板を用いた模擬試験を行って正常動作を確認した。球状トカマクにおけるマイクロ波イメージング計測装置の開発は完了した。新年度に予定しているプラズマ実験の準備は整ったと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画では平成29年度は、TST-2用にTPE-RX用のMIR架台と光学系を改造し、LHD用のMIR電子回路を修理・改良・整備する、ことになっていた。平成29年度末までに、これらの作業は終了し、MIR装置は核融合研から東大柏キャンパスに移設した。実験準備室では模擬試験まで行い、MIR装置が正常動作することを確認した。本報告書執筆時(平成30年4月)では、MIR装置をTST-2の観測ポートに設置し、データ収集系を接続した。現在、データ可視化ソフトウェア待っているところである。データの可視化ができればプラズマ実験を開始できる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画では平成30年度以降は、MIRを設置、プラズマ計測データを全日本核融合バーチャルネットワーク(SNET)を介して、核融合研のLABCOMで収集し、実験データは動画像として全体の動きを捉え、速度やモード数は相関解析などで定量値を得る、ことになっていた。MIRは設置された。今後、計画を少し前倒しし、予定のプラズマ実験およびデータ解析を実行する。
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Causes of Carryover |
平成29年12月末に東大TST-2実験準備室において組み立てが完了したが、正常動作しなかった。トラブルシューティングした結果、マイクロ波発生器内の4逓倍器が全部故障していることが判明した。この4逓倍器は製造中止で、代替品は高価で予算内に収まらない。そこで予算の執行を控え、4逓倍器の開発を試みた。4逓倍器の故障問題は平成30年1月末にようやく解決した。しかし平成30年2月末に至っても、テストベンチ上で信号が得られず、原因も特定できていなかった。マイクロ波の部品もプリント基板製造費用も高価である。一つの問題解決にも多額の費用がかかる。そこで予算執行を一切控え、この想定外の問題解決に全力を尽くした。その結果、年度が明けた4月に問題解決した。幸い要した費用も少なかったために、次年度使用が生じた。 現在MIR測定装置はTST-2に設置したが、データ可視化がない。メクラでは実験ができないので、本費用は可視化に必要な物品やコンピュータソフトの購入に充てる。また、実験が順調に進行したら、装置改良のための部品購入やプリント基板製作に充当する。
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