2017 Fiscal Year Research-status Report
Developments of meta-material based phased-array antenna for millimeter-wave Doppler radar
Project/Area Number |
17K18773
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
徳沢 季彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (90311208)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | メタマテリアル / ドップラーレーダ / フェーズドアレイ / 周波数コム / プラズマ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、核融合を目指す高温プラズマ中の電子密度揺動やその流速を計測するミリ波ドップラーレーダ用の同時に様々な方向へビームを放射できるアンテナを開発することを目的としている。このアンテナには、高温プラズマ計測のために、(1)広帯域性能(広い周波数領域にわたりプラズマ照射が可能であること)(2)高速スキャン(短い時間で照射スキャンが可能であること)(3)耐超高真空仕様(真空容器内に設置しての運用が可能であること)が求められるため、ミリ波周波数コムを用いた多周波数同時発生技術とメタマテリアルを用いた位相制御技術を融合することにより、革新的なフェーズドアレイアンテナシステムを構築しようとしている。 上記した目的達成のため、三年間の研究期間を通じて、プラズマ計測に最適化したフェーズドアレイアンテナシステムを製作し、性能試験を経て、プラズマ実験でその機能実証を行う。特に、本研究で行う革新的な開発要素として、次の2点について開発研究を行う。 1.走査時間の無いフェーズドアレイシステム: フェーズドアレイアンテナは一列に並べたアンテナアレイへの各入力信号間の位相差を制御することで、特定の方向へ合成した信号を放射するものであり、通常は単一の周波数で動作するように設計されるが、本研究では、同時に複数の周波数を用いることで、ビームを多方向へ同時に照射できるアンテナシステムを構築する。 2.メタマテリアルを用いた広帯域位相器: フェーズドアレイアンテナとして動作させるためには、アンテナ毎に正確な位相差を付与する位相器が必要である。特にプラズマ計測では広い周波数領域に亘るミリ波を用いるため、位相器にも広帯域性が求められる。本研究では、高周波用テフロン基板上に形成したマッシュルーム型デザインを採用し、これを通過させることによって、アンテナ素子毎に異なる位相を与えるメタマテリアル位相器を開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三年間の研究計画として、プラズマ計測に最適化したフェーズドアレイアンテナを製作し、性能試験を経て、プラズマ実験でその機能実証を行うという計画を立てた。そして、(1)走査時間の無いフェーズドアレイシステムと(2)メタマテリアルを用いた広帯域位相器の開発が重要であると想定し、年次計画を立案し、これに従って研究を進めた。 まず初年度は、[フェーズドアレイアンテナを構成する2つの要素を確認・検証する]ことをテーマとして、以下の2つの研究を実施した。 1.複数周波数によって、異なる角度でビームが放射できるか?: 本研究アイデアにおける尤も根源的な原理を実証する試験を行った。経費節約のため、安価な周波数帯の素子を組合わせて、フェーズドアレイアンテナの放射試験を行うため、周波数として、1-4GHzの半導体発振器を選定し、この周波数帯で動作する基板アンテナ(フェルミアンテナ)を設計し製作した。またアレイ状の各アンテナへの入力信号の位相制御のため、電圧制御型位相器および多チャンネル電圧源と高速応答アンプを製作した。現在、マルチビーム放射の方向制御実験を実施中である。 2.メタマテリアル位相器が設計どおり動作できるのか?: メタマテリアルの構造デザインは、その基板上下面の金属パッチとそれらをつなぐピアと呼ぶ構造とで構成されるマッシュルーム型構造をまず採用することとし、ミリ波三次元FDTDシミュレーションソフトウエア(CST MW STUDIO)を用いて、パッチサイズやギャップ間隔等の最適設計を行っており、今後加工製作し性能試験を行う目途が立った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、[プラズマ計測のための周波数帯域での実機製作と性能試験]を行うことをテーマとして、研究を実施する。すなわち、初年度に実施した、複数周波数を用いることによって放射角度制御が可能か?という原理実証結果を基に、周波数帯をプラズマ計測のための周波数帯に拡張し、その性能の評価を行う。具体的には、次の2つの研究を実施する。 1.高周波数帯への拡張: 初年度の成果による最適設計指針をもとに、プラズマ計測に用いる周波数帯に拡張したメタマテリアル構造を設計し製作する。対象とするプラズマのの想定電子密度から、周波数帯としてはX-bandからKa-bandに対応するアンテナシステムを製作する。 2.無走査同時ビーム放射は達成できるのか?: 周波数コムによる複数周波数同時入力による、複数方向へのビーム放射パターンの特性を調べる。特に多周波数の同時入力による未知の干渉効果などの影響が生じていないかどうか確認する。 最終年度は、[プラズマ実験への適用]をテーマとして、研究を実施する。設計製作したフェーズドアレイアンテナを用いて、プラズマ実験への適用を行い、システムとしての実証試験を実施する。実証試験を行う上で他の計測手法とのクロスチェックが重要であるため、多数の静電プローブとイメージング計測器が設置されている九州大学応用力学研究所の乱流プラズマ実験装置PANTAを用いて試験を行う。装置の円筒軸に沿った方向にフェーズドアレイアンテナを設置し、ミリ波帯周波数コムを用いて放射ビームをプラズマへ照射して軸方向の流速分布を計測し、本計測システムによる観測結果と装置既設の他計測器の結果とを比較して本システムの性能を評価する。 研究成果は随時、関連する学会や専門家研究会で発表報告し外部研究者らの意見をもらって研究にフィードバックする。また論文にまとめて学術雑誌によるピアレビューを通して発表を行う。
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Causes of Carryover |
本年度内の研究成果に基づいて設計し、製作を依頼した物品の納品が若干遅れ、次年度となったため。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Microwave comb reflectometry for micro turbulence measurements2017
Author(s)
T. Tokuzawa, S. Inagaki, N. Tamura, R. Sakamoto, K. Ida, H. Tsuchiya, A. Ejiri, H. Yamadaa,c, K.Y. Watanabe, T. Akiyama, K. Tanaka, H. Nakanishi and I. Yamada
Organizer
18th International Symposium on Laser-Aided Plasma Diagnostics
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] Fast Radial Propagation of Momentum Associated with the TESPEL Injection2017
Author(s)
T. Tokuzawa, S. Inagaki, N. Tamura, R. Sakamoto, K. Ida, H. Tsuchiya, A. Ejiri, H. Yamada, K.Y. Watanabe, K. Tanaka, T. Akiyama, and I. Yamada
Organizer
21st International Stellarator-Heliotron Workshop
Int'l Joint Research
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