2018 Fiscal Year Annual Research Report
Test of macro-coherent amplification by observing phase conjugate wave toward neutrino mass spectroscopy
Project/Area Number |
17K18779
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮本 祐樹 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任講師 (00559586)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ニュートリノ質量分光 / 位相共役波 / 水素分子 / 二光子放出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目標はニュートリノ質量分光の実現に向けて、マクロコヒーレンス増幅機構を検証することである。代表者はこれまでも実証実験として、水素分子振動準位からの二光子放出過程をコヒーレンス増幅することに成功している。しかしながら、コヒーレンス生成にラマン過程を用いており、同様のジオメトリではニュートリノ質量分光は出来ないという問題があった。そこで本課題ではニュートリノ質量分光に適応可能なジオメトリ、具体的には逆向きに進む二つの光子の吸収でコヒーレンス生成し、二光子放出(位相共益波)を増幅する。 初年度で光源開発を終え、さらに気相水素分子からの二光子放出の観測に成功したため、本年度ではまずその詳細な評価を行った。二光子放出光強度の波長依存性や励起強度依存性、ガス圧依存性などが、マクスウェル・ブロッホ方程式による計算と定性的に一致することを示した。この結果はすでに論文として発表している。さらに理解を深めるため、別の赤外パルス光源を用いてポンプ・プローブ式の測定を行った。その結果は一次元モデルでは説明できなかったが、シンプルな幾何モデルを用いることで再現されることがわかった。この結果は論文投稿中である。 ターゲットを気相の水素分子ガスから固体水素に変更した実験も行った。固体水素は量子固体と言われ、高密度かつコヒーレンス時間が長いという特徴を持つ。励起光、プローブ光ともに直線偏光にすることで、三倍波と二光子放出を同時に観測したところ、この二つのシグナルが時間遅れに対し異なる依存性を示すことがわかった。それぞれのシグナルが関与するコヒーレンスが位相の異なるものであることから、位相の異なるコヒーレンスが異なる時間発展をするためと考えられる。その詳細については未だ理解が出来ておらず今後の課題であるが、本課題が目指すコヒーレンス増幅の理解の上で重要な現象である。この結果については論文準備中である。
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Research Products
(8 results)