2017 Fiscal Year Research-status Report
Construction of a structural optimization method of thermal fluid metamaterials using rarefied gas effects
Project/Area Number |
17K18823
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西脇 眞二 京都大学, 工学研究科, 教授 (10346041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 崇恭 京都大学, 工学研究科, 助教 (30598222)
高田 滋 京都大学, 工学研究科, 教授 (60271011)
泉井 一浩 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90314228)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 構造最適化 / トポロジー最適化 / 熱流体 / メタマテリアル / 希薄気体効果 / ボルツマン方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
気体分子の平均自由行程の大きさが無視できない微小スケールの流体場において,温度場により流れ場が誘起されることが知られている.希薄気体流れと呼ばれるこの現象は,近年,大気圧下においても実証され,注目を集めつつある.本研究では,この希薄気体流れに着目し,この現象の逆,すなわち,流れ場や圧力勾配により温度差が生じる性質(負の熱拡散)を持つ特異なメタマテリアル,である熱流体メタマテリアルの創成設計法の開発を目的とする. 本年度は目標の熱流体メタマテリアル創成設計法の構築の第一段階として,希薄気体流れを対象としたトポロジー最適化法の構築に取り組んだ.すなわち,本研究では,ボルツマン方程式で挙動が記述される流れ場を対象とした新しいトポロジー最適化の方法を構築した. 通常のトポロジー最適化では対象構造を材料分布として表現するため,希薄気体の流路壁面は,希薄気体領域と物体領域の分布から陰的に決定され,陽には表現されない.したがって,壁面の境界条件を課すにはトポロジー最適化の計算過程で逐次変化する物体界面を抽出する必要があり,極めて煩雑な数値実装となる.そのため,本研究では物体を仮想的に静止した気体とみなしてボルツマン方程式を物体領域まで拡張することにより,物体界面上で壁面の境界条件が自動的に満たされる手法を構築した. そして,この拡張したボルツマン方程式に基づいて,最適化問題の定式化を行い,随伴変数法とラグランジュ未定乗数法を用いて設計感度の導出を行った. さらに,この提案手法を曲がり管設計のベンチマーク問題に適用し,方法論の妥当性を確認した.その結果,希薄度と最適構造の間の依存関係が明らかになった.また,希薄気体特有の流れである熱遷移流を利用したポンプの設計問題にも提案手法を展開した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前述のように,予定よりも早く,ボルツマン方程式で挙動が記述される流れ場を対象とした新しいトポロジー最適化の方法を構築することができたので,今後熱流体問題への方法論の展開が迅速に行えるようになったから.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築したトポロジー最適化法を,物体内部での熱伝導,及び気体と物体の間の相互的な熱のやり取りを考慮できる手法へと拡張したのち,熱流体メタマテリアルの設計問題に適用する.このとき,メタマテリアルを構成する物体内部での温度勾配を最大化するような目的汎関数を定義することで,所望の性能を発揮するメタマテリアルの創成設計法の開発を進める.構築した手法を簡単な構造創成問題に適用し,これより得られた設計案について物理的に考察し,方法論の検証を行うとともに,必要であれば方法論の改善を行う.
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Causes of Carryover |
当初2017度に計算用パソコンを購入予定であったが,初年度はまず方法論の基礎理論の構築を重視し,2018年度に購入し方法論の展開を進めることにしたため.また,講演発表のための国内外出張も,基礎理論の構築後に重点的に行うよう進めることにしたため.
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Research Products
(4 results)