2017 Fiscal Year Research-status Report
Paradigm shift of Godunov-type finite volume method for compressible flow
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17K18838
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肖 鋒 東京工業大学, 工学院, 教授 (50280912)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 数値流体力学 / 圧縮性流体 / 有限体積法 / 衝撃波 / 不連続面 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度において,以下二つの方面において重点的に研究を行った。 ・メッシュセル境界において物理量が不連続である前提をなくし,その不連続(変差)を最小化する新たな空間再構築の原理,すなわちBoundary Variation Diminishing (BVD)原理は計算手法の数値粘性の削減に非常に有効であることについて,リーマンソルバーの性質分析と数値実験の両面から検討を行った。さらに,BVD原理の応用において数値計算手法の設計指針を提案した。対象セルにおいて単一境界における変差や複数の境界における総変差などを指標とするBVD法の定式化を考案し,実証を行った。 ・本研究グループで提案したTHINC法をBVD法の許容再構築関数として用い,連続解と不連続解をともに精度よく計算できる数値解法の提案に成功した。さらにTHINCのみによるBVD法を提案し,オイラー方程式だけではなくデトネーションなど反応を伴う高マッハ流れの計算にもWENO法など従来手法の問題を回避し,優れた計算結果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,平成29年度中に以下の研究内容を実施する予定だった。 ・有限体積法の枠組におけるBVD原理の理論分析および数値実験による検証を行い,BVD法は連続解と不連続解を同時に捉える高解像度数値解法を根本的に改良する原理としての有用性を検証する ・BVD型新しい数値解法を設計するときの指針を提示し,計算精度と計算効率の両面において非構造格子にも対応できるような優れたBVD定式化を考案するとともに,BVD原理に基づく再構築関数類を検討する 研究期間において上記の研究目標を達成した上,さらに,提案したBVD型解法を用い,オイラー方程式だけではなく,デトネーションを伴う反応ガスの数値解析にも成功した。従来のWENO法が解決できない反応面位置のずれなどの問題点を完全に解決した。この成果は関連分野において大きな影響を与えることになる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,BVD解法は連続解と不連続解を同時に解像できる革新的高性能数値解法として確立させるとともに,その実用展開に向けて以下の方向に研究を展開していく予定である。 ・BVD原理に基づき,構造格子及び非構造格子における新たな有限体積法の定式化および数値計算モデルを開発する。 ・BVD原理とMOODを組み合わせた高解像度数値解法の研究開発を行う。 ・BVD法が不連続解を精度よく計算できることから,それに基づく圧縮性自由界面多相流の高性能数値計算モデルの構築に大きな期待を寄せており,今後さらに研究を推進する。
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Causes of Carryover |
本研究企画(萌芽)の採択はやや遅れていた(今年度の7月)ため,当初計画していた物品購入などの支出は他の研究費で充当したので,残額が生じた。次年度の研究内容を踏まえ,計算サーバーの購入などを含めて研究費の執行計画を検討する。
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Research Products
(2 results)