2021 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of the mechanisms of gripping pattern changing in the tendrils of Cayratia japonica and its application in engineering
Project/Area Number |
17K18851
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 一哉 九州大学, 芸術工学研究院, 講師 (40628723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新山 龍馬 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (00734592)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 生物模倣工学 / つる植物 / スマート構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
つる植物の1種であるヤブガラシは,”脳”も”目”も持っていないのに,自分が巻きつく対象に合わせて最適な形に巻きひげを変形させて把持している.工学的観点からこのシステムの最大の謎は,「ヤブガラシ自身は掴むものの全体形状を知らないはずなのに,何故対象に最適な把持パターンを選択できるのか」と言う点に集約される.複雑な情報処理システム(脳)を持たないヤブガラシは,単純な知覚(接触判定)と応答(曲率の生成)の繰り返しだけで,最適な把持パターンを自己組織化的に選択しているはずである.本研究課題は,工学者と植物学者が連携して上記の謎の解明に挑み,巻きひげの高度な自律最適把持メカニズムを明らかにすることで,ロボティクスや医療デバイス等に応用可能な新しいスマート構造デバイスの創製を目指すものである. 最終年度にあたる2022年は、予定通り追加実験を行い、ヤブガラシの把持パターン分岐メカニズムが身体を支えるために不適当な太いサポートを避ける機能を持っていることを明らかにした。ヤブガラシはサポートに接触した際に決められた最小の径までとりあえずコイルする、という戦略をとっている。細いサポートの場合はそのまま連続的に巻き付くことで把持が成功するが、太いポートの場合は接触点が移動することで素早く離れることができる。また、ある程度の太さのあるサポートには特殊なクリップ型の把持パターンが生じることが明らかになった。研究成果はScientific Reports誌に掲載された。
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Research Products
(1 results)