2018 Fiscal Year Research-status Report
Extension of tribological functions using shape tunable wrinkles
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17K18862
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大園 拓哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (40344030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 啓 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (00357542)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | トライボロジー / 摩擦 / 付着 / ゴム複合体 / 織布 / 粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の最終目的は、摩擦界面の一方の表面上に凹凸構造を可逆的に発生させることで、摩擦力を大きくかつ必要な時に変化させる、という新しい技術拡張のコンセプトの実証である。第1目標として、この可逆的変形が可能な凹凸構造である自己組織化シワ構造表面を活用し、この可変構造において摩擦設計の指標である、荷重や相手材の性質が、一般的にどのように影響するのかを科学的に解明する。また第2目標は、人間が握るグリップ等への具体応用を想定し、特にシワ構造と特に手指を意識した柔軟物質や樹脂等とのグリップ特性に対する凹凸構造変化の影響を調査・解明し、摩擦制御機能の拡張性を示すことである。 2年目である平成30年度は、以下について研究を行った。 (1)これまでに開発していた織布をゴム表面に埋め込んで作製した摩擦可変な表面部材について、その多用な実用化に向けてはその初期評価のためにさえ大面積化が必要である。しかし、これまでに報告した、数センチ角の面積に対応できる方法をそのまま大面積(10センチ角程度以上)に適応すると、次の問題が発生することが分かった。織布に含浸する未硬化ゴムの粘度が高いため、圧縮によってその余剰分を排出することが、面積が大きくなると困難になるという問題である。その解決のため、作成方法を2段階に分けることを検討し、10センチ角以上の試料の作製に成功した。柔らかい基板で粘性流体を排出することが難しいことを理論的にも確認したので、硬い基板を用いて、圧縮し、未硬化ゴム流体を排出することで、排出状態が均一な大面積試料を作成できた。この手法によると、曲面基板にも摩擦可変構造形成が作成できる利点もあることも分かった。 (2)人間が握るグリップ等への具体応用を想定し、摩擦が変わるグリップのプロトタイプデザインを行った。ひずみを印加する仕組みを中心にプロトタイプを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時に予定していた、これまでに作成していたシワ構造の摩擦機能の実用化に向けた問題を把握し、上述のように成果を得ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発中の部材では、これまでの部材になかった新しい機能である「部材自体の摩擦機能を変化させる」ことができるため、この新機能を活用し、これまでの部材表面の機能を拡張することで、新たな産業応用展開を見込んでいる。そのため、今後も、実用化を視野に入れて、新規な材料系への適用も見据えて、実際の活用シーンを反映した摩擦機能の評価を継続するとともに、その部材の作製法についても着目し、新たな課題の把握し、継続して最適化を図っていく予定である。
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Research Products
(6 results)