2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K18887
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中岡 俊裕 上智大学, 理工学部, 教授 (20345143)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ナノコラム / 光レクテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,主にナノコラムレクテナの理論計算および試作を行った。近赤外~可視光域まで応答することを示し,試作においては,ダイオード特性を実証した。 ナノコラムレクテナのアンテナとしての設計のために,ナノコラムのサイズと対象波長の関係を明らかにした。例えば,長さ1000nm,直径50nmのGaNを厚み20nmのAuで覆った構造に対し,光を30°で斜め入射させた場合,波長2900nm, 1420nm, 960nm, 550nmにピークが観測される。これらの波長は,ダイポールアンテナの共鳴に該当し,コラム長手方向に定在波を発生させる。つまり,大枠としては,1次の共鳴波長2900nmがダイポール共鳴,2次の1420nmが4重極,3次の960nmが6重極,4次の550nmが8重極に該当する。本ナノコラムを回路と接続するとこれらの波長において大きな電力を取り出すことができる。つまり本ナノコラムレクテナは赤外から可視域まで応答できることがわかった。 古典的なアンテナ理論ではアンテナの長さをLとするとλ=2L/n (n=1,2,3…)のときに共鳴する。L=1000nmに対し,それぞれ2000nm, 1000nm, 667nm,500nm…となるが,本構造のシミュレーション計算の結果では,このシンプルな式から1~3次は1.45倍程度,4次は1.1倍程度,長波長側にずれていた。これは,次の複合的な理由によるものであることがわかった。(i)リング状の形状効果。(ii)GaN部にも電場の局在がみられ,GaNの寄与。(iii)この波長帯ではAuが完全導体とみなせず,表面インピーダンス、skin depth、形状効果のために長波長側にずれる。(iv)高次の可視光領域においてはプラズモン効果も寄与している。以上のように,設計指針が得られたとともに光物理としても興味深い結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノコラムレクテナにおけるシミュレーションから,近赤外~可視光域まで応答することを示し,設計指針を得た。また,試作においては,ダイオード特性を実証した。 以上により、上記のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,プロセス手法をリファインし,より薄い均一な絶縁膜,透過度の高いグラフェンあるいは金属膜を用いて,ナノコラムレクテナを作成・評価していく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は素子作製に注力した。試作素子に対して,レクテナ動作の確認を行うために,レーザーダイオードを購入する予定であったが,素子の歩留まりが悪く,計画を変更し,その改善を優先しプロセス消耗品にあてたため,差額が生じた。歩留まり高い素子において実験をおこなうべく,次年度レーザーダイオードを購入する予定である。
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