2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nanocolumn rectenna
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17K18887
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中岡 俊裕 上智大学, 理工学部, 教授 (20345143)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | レクテナ / ナノコラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度のナノコラムのサイズと対象波長の関係を明らかにした電磁界シミュレーションの結果に基づき,素子試作を繰り返した。 トライアルアンドエラーの結果,最終的な素子構造では,EBリソグラフィと電子線蒸着により,ナノコラム領域のみに,チタンと金を成膜し,ナノコラムをコーティングした。SOG(Spin-On-Glass)にてナノコラムの先端付近まで埋め込み、絶縁膜Al2O3をその上部に成膜し,最後に多層グラフェンを載せ上部電極とした。 プローブを用いて多層グラフェンとナノコラムへのAu被膜間に電圧印加し電流測定をおこったところ,FNトンネルによるトンネルダイオード特性が得られた。また,LCRにより静電容量測定を行い,グラフェン下のナノコラム本数に対応する静電容量を得た。この素子に1000-1800nmのランプ光10μWを0.3mmφに集光し照射したところ,レクテナ動作(光アシストトンネル)に期待される正の方向の50pA,10uV程度の短絡電流,開放電圧を得た。一方,2mWの650nmのレーザーでは光電流による逆方向の微弱な電流変化を得た。シミュレーション結果によると本ナノコラムの共鳴波長は1800nm付近にあり,波長依存性は本電流変化がレクテナ動作によるものであることを示している。起電力の定量的な値については精緻な検討が必要であり,その後に本成果を発表していく予定である。また,本試作ではナノコラム直径100nm程度のものを用いたが,直径30nm以下の細線ナノコラムが最近報告されており,効率についてはこれらより細いナノコラムを用いることで改善できる見通しである。以上,本研究成果はナノコラムレクテナ素子作成に求められる作成手法をはじめとする基盤技術の確立,有望性の実証と位置づけられる。
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Research Products
(2 results)